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S-AIR Award: 風間天心さんカンボジア滞在記④

S-AIR Award(レジデンス派遣プログラム)で、Sa Sa Art Projectsとの連携によりカンボジア・プノンペンに滞在していた風間天心さんから、滞在記第四弾が届きましたのでご紹介します。

「廃仏毀釈」の逸話を題材にした自身の作品を紹介した時の地元の人たちの反応、ワークショップやインタビュー、カンボジアの現代美術事情(学生の増えている学科は…?)、プノンペンを語る上で欠かせない「ホワイトビルディング」について、カンボジアで作品を制作することの大変さなど、盛りだくさんの内容です。

じっくり読んでみてください!


2/1() 【カンボジア滞在15日目】

今日はSSAPが企画してくれた「アーティスト・トーク」です。

アーティスト・トークとは、アーティストが自分の作品や活動などを紹介しながらお話するイベントです。

6週間しか滞在できない身としては、早いうちに自分のことを知ってもらうのは大切です。

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18時からの予定でしたが、人の集まりをみて30分遅れでスタート。まずは自己紹介。僕の場合はまず、アーティストであり僧侶でもあることを説明する必要があります。

作品をいくつか紹介しながら、「信仰」をテーマに表現活動をしていることを伝えます。

あくまでも「宗教」ではなく「信仰」です。「宗教」という概念は、所属の違いを区別するためにある言葉で、それに対して「信仰」はそれぞれの内面にあるもの。つまり他人が判断することはできない「心」です。

日本人は「オウム真理教」の事件以降、特に「宗教アレルギー」が強くなっていき、「宗教」を題材にした作品は展示できないことがある。というような話もしました。

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トーク最後の質疑応答では、この作品「The diaspora」への関心が高かったです。

この作品は、僕のお寺の前身(東京中目黒にあった)「高(こうとうじ)」が、仏教のお寺でありながらも、「金比羅(こんぴら)さま」という神様を祀っていたために潰されてしまった「廃仏毀釈」の逸話を題材にしています。

「宗教はいつの時代も政治的な力の影響を受ける。」

クメール・ルージュに多くのお寺を潰され、多くの僧侶も殺されてしまったカンボジアでは、この逸話に対する共感があるようでした。

また「このようなものを展示する場合、これは宗教的な意味合いになるのか、美術的な意味合いになるのか、どちらでしょうか?」と言う質問もありました。

この質問に対して、前回の滞在記で書いた「博物館の仏像は拝むものなのか、鑑賞するものなのか、判断が難しい。」という答えをしたところ、さらに理解が深まったようでした。どんなモノでも、いわゆる「Context(文脈、脈絡、背景)」の違いによって、モノの見方が大きく変わるということです。これは国や文化の違いによっても頻繁に起こる問題です。

トークが終わったあと、事前に用意してあったアンケートに記入してもらいました。

今回の滞在では、カンボジアの若者の「信仰」をリサーチしに来たので、アンケートの内容は「信仰」に関する質問です。当然ながらアンケートはカンボジアの「クメール語」で書く必要があり、トークの通訳もお願いしたカンボジア人の男性「Toto」さんが、翻訳してくれました。

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そして、2011年にエスエアに滞在していた「タン・ソックThan Sok」も来てくれました。

彼も僕と同様に宗教的な儀式や素材を題材にしているアーティストです。

http://sasabassac.com/artists/thansok/than.htm

2/2() 【カンボジア滞在16日目】

昨晩はトークの後に、日本式のラーメン屋で打ち上げをしました。

そして帰ってくるとSSAPの前にこんなものが置いてありました。

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旧正月が近いので「神棚」を買い換える家庭も多く、古いものが捨ててあったのです。

もしかしたら作品に使えるかと思い、とりあえずスタジオに保管。

夕方からは、SSAPの近くにあるアートスペース「Kon Len Khnhom」で行われる古典舞踊のダンサー「Prumsodun Ok」さんのトークへ行きました。彼はカンボジア初の全員が男性から成るゲイによるダンスカンパニーの設立者です。

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アンコール・ワットの彫刻を例に出しながら、いかに舞踊が日常的なものであり、人々の信仰に関わっていたかを話してくれました。確かに遺跡に見られる彫刻は、彼の踊る動きと同じ形をしています。手足を大きくしならせて、美しい姿です。戦っているはずの戦士ですら、舞踊をするような形をとっています。「これでホントに戦ってるの?」と笑いをとっていましたが、つまり、彫刻の形から舞踊の形が生まれているのではなく、むしろ舞踊こそが先に存在していたのです。

最後は「なぜ現代人は、特に女性は、胸を晒すことに抵抗があるのか?」という彼の問いかけに、どんどん議論が盛り上がって、かなり時間をオーバーしていました。

彼がゲイだからこそ説得力のある問いかけですが、確かに現代は「性差」に対する表現規制がエスカレートしすぎている気がします。先日、アプサラのダンスを見に行きましたが、本来はもっと肌の露出が多かったはずだと感じました。

「男性は平気で胸を晒すのに、なぜ女性が晒すことには反発があるのでしょう?」。考えてみてください。

彼は「TED Talk」のスピーカーでもあるので、検索すればすぐに映像を見ることができます。

今晩トークが行われたこの「Kon Len Khnhom」はSSAPとも関係のある女性「Meta Moeng」さんが運営しており、彼女はカンボジアアート界では期待のホープと噂されている方です。アーティスト、キュレーター、研究者を繋ぐために様々な活動をしており、学生を育てる事にも力を注いでいます。

Prumsodun Ok

https://www.prumsodun.com

Kon Len Khnhom

https://konlenkhnhom.com

2/3() 【カンボジア滞在17日目】

今日は先日お寺を案内してくれたPokoさんの尽力で、急遽実現したワークショップの日です。

「カンボジアで子供向けのワークショップをしたい」という話をしたところ、Scholar Library

という子供が集まってくる図書館を紹介してくれました。

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ワークショップの内容は、日本でも度々行っている「水引」を結ぶワークショップです。

1回目は小学生くらいの子供たちに「淡路結び」という基本的な結び方を教えました。カラフルな水引から色を選ぶときは、みんな目がキラキラしています。

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さすがに馴染みのない文化というのもあり、日本よりも結べるまでに時間がかかりましたが、こちらで勉強している日本の大学生たちに手伝ってもらったお陰で、子供たちも楽しんでくれたようです。

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2回目は、もう少し年齢の高い中学生や高校生たちです。さすがに今度は自分で結べますね。結び方を覚えてしまえば、すぐに熱中して黙々と結んでいきます。

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天井から垂れ下がっていたツタを見て「これでもできるんじゃない?」と試しに結んでみたら、細さも近くて、意外にそれっぽく結べました。もしかしたら水引も元は自然の植物だったかもしれませんね。

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最後にみんなで記念撮影。

事前の人集めに苦労しましたが、Pokoさんと大学生のおかげで大成功です!
実は近くの学校などに「学生を参加させてほしい」と依頼していたのですが、安全面から、放課後の活動に対して慎重な場合が多く、その辺りは日本と同じだな~と感じました。

あと、水引結びは「女子のすることじゃん」みたいな反応が男子に多く、日本よりも男女がハッキリと区別されて教育されていると感じました。もちろん日本でも同様の区別がありますが、男言葉、女言葉が明確に分かれているようです。

文化の違う国では、思い通りいかない所から学ぶものも多いですね。

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2/4() 【カンボジア滞在18日目】

今日は朝からSSAPのアートディレクター、Lynoの講義です。

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Lyno自身も関わっている学生向けのコンペがあり、それに応募するための応募方法や、ポートフォリオ(作品資料)の作り方などを学生に教えていました。Lynoは普段から先生もしているので、教え方がうまいです。僕も改めて勉強になりました 笑。

カンボジアでのコンテンポラリーアート(現代美術)は、日本以上に少数派らしく、美大でも教わることができないようです。どんどん学生の増えている科は「建築科」。建設ラッシュ真っ只中の国ならではですね。

現代美術を学ぶためには自分でアートイベントへ足を運び、独学で勉強しなければならないそうです。

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午後は少し歩いて、プノンペンタワーというビルに登りました。このビルの屋上はカフェになっているので、市内を見渡せます。左奥に見えるのが王宮です。高層ビルはまばらですが、建設途中のものが目立ちます。

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ちょっと下を覗くとゴミの山が。

こちらでは今もまだ黒い袋を使っています。緑のボックスがゴミ箱ですが、フランスで見たものと一緒ですね。いかがでしょう? フランスにいるキーボーさん? ナントも同じですかね?

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旧正月に舞う獅子舞の面が並んでいました。中華系が多いせいか、街中でも赤をよく目にします。先ほどのタワーからの風景も、屋根は赤ばかりですね。

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ずっと行かなければと思っていた「ある場所」へ行きました。

さて、何の場所でしょう?

実はこの青空が広がる空間に、「ホワイトビルディング」という巨大な建物が立っていました。僕が今滞在している「Sa Sa Art Projects」も、昨年まではその中にあったんです。

ホワイトビルディングは古くからある建築だったせいもあり、スラムのような見られ方をしていました。日本人の書いたネット記事をみると、そのような書かれ方ばかりが目立ちます。

しかし、このホワイトビルディングはカンボジアのアーティストにとっては非常に重要な場所だっだんです。そんな建物が、いわゆる「都市開発」の名目で取り壊されてしまいました。

そしてこの土地を買い取ったのは、日本の企業です。

このホワイトビルディングの存在と経緯が持つ意味を伝えるために、プロジェクトを立ち上げている日本人がいます。それがこの滞在記で度々登場するPokoさんです。

彼女は日本で「ホワイトビルディングプロジェクト」の展覧会を行うために協力者を探しています。もしご関心のあり方がいらっしゃいましたら、是非ご連絡ください。僕もバックアップしていくつもりです。

(ホワイトビルディングプロジェクトについては、文末に記載しています。)

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取り壊された跡には巨大な更地が広がっており、SSAPのアーティストが住民の子供たちと一緒に描いた壁画だけが残っていました。帰ってDaraにこの写真を見せると、「僕は退去してから、まだあそこには行けていない。あまりにも悲しすぎて。So Sad.」と言葉を詰まらせていました。

ここまでホワイトビルディングの事を話したら画像を載せるべきなのですが、なぜか僕はそれを載せる気になれません。僕にとっては、「絶対に行けない場所」「絶対に見られない場所」そんな場所になっているからでしょう。

カンボジアへ来てから、いや、来る前からもホワイトビルディングの話をたくさん聞いて来ました。だからこそ、「今はもうない」ということを痛切に感じています。親しい人を亡くす喪失感と、親しんだ住まいを亡くす喪失感は、どちらも同じだけの悲しみがあると思っています。

実は、GoogleMapのストリートビューでは今もその姿を見ることができます。僕の写真と照らし合わせてバーチャル散歩をしてみてください。

「ホワイトビルディングミニチュアプロジェクト」

(趣旨)

カンボジアの首都プノンペンで、20179月に解体されたホワイトビルディングと呼ばれる歴史的建造物とその建物に住んでいた人々の記憶をミニチュアアートで再現する。プノンペン中心地にあった歴史的建造物の過去と現在の記憶を辿る中で、プノンペンの世代間をつなぎ、共に過去から学び、現在を深く理解し、急な発展を遂げるカンボジアの都市開発の未来について提言をしていく。

(経緯)

急速に経済発展するカンボジアのプノンペンにあった歴史的建造物が新しい高層ビルを立てるために解体された。その建物はプノンペンの中心に位置し、クメール・ルージュ時代も生き抜き、解体されるまでの54年間残った数少ない新クメール建築の1つであった。その場所は、多くのアーティストが迫害された内戦が終わった後、故シアヌーク前国王はホワイトビルディングにアーティストを呼び寄せアートを復興させた場所でもあった。それ以降、伝統芸能から現代アートまで様々なアーティストの活動拠点となってコミュニティが残っていた。世界では、ホワイトビルディングと同様に、なぜどんな思いでその建物が存在したかが引き継がれないまま消えていったものがある。人々の記憶を形に未来に繋ぐべく、事前調査でカンボジア入りした。多くのカンボジア人から実現を願う声を聞き、日本とカンボジアの共同プロジェクトチームを発足するに至った。

(目指していること)

昨年9月に解体されたホワイトビルディングを題材にし、建物と人々の暮らしの歴史を振り返る。建物の中で生きる人たちが創造して来た様々なものを再現することで、カンボジアの建築家あるいは建築家を目指す学生たちはその建築物と深く関わっていき、カンボジアの建築物、コミュニティ、歴史への理解を深めていく。日本人アーティストという外国人がその建築物から何を感じるか、そして日本人の表現したカンボジアの建築物を目にし、カンボジアの建築家が感性という深いレベルでその建築物をどう捉えるかの感性にまで届く作業を通して、カンボジア人が自国文化をもう一段踏み込んで理解する。また、日本人も海外の暮らし、文化、歴史を深く理解し、自国についても理解する。これからの都市開発に何が大切なのかをプロジェクトに関わった人々、また展示会で作品をみた人々が共に考えていく。この活動は、一国の未来をどう創るかを広い視野で考える機会を提供する。

2/5() 【カンボジア滞在19日目】

立て続けにイベントがあったので、今日は部屋で片付けや洗濯をします。夜はDaraに誘われて、スタッフの一人「Samnang」の家でホームパーティ。

彼の家には本人の作品だけでなく、知人作家の作品もたくさん飾られていました。

カンボジアではまだアートマーケットが確立していないため、アーティストたちはお互いに作品を購入しあっているのです。将来的にはコレクターなどが購入してくれるのがベストですが、今はまだ作家同士が支え合っていく事の方が重要です。

そろそろ帰ろうかという頃、「指名されたら絶対に歌わなきゃいけない」謎のゲームが始まり、結局、アカペラでビギンを一曲歌いました

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さすがに人の家なので撮影は遠慮してしまいましたが、神棚だけは収めました。奥にいるのは娘さん。

2/6() 【カンボジア滞在20日目】

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プノンペンでは常にいろんな音や声が鳴り響いているのですが、なんだかお経のような声が聞こえるなと思ったら、隣の家にお坊さんが立っていました。いわゆる「托鉢」です。

カンボジアの僧侶は全ての食事を「お布施」で賄っています。こうやって毎朝「托鉢」をして歩き、お金や食事(お布施)を受け取るのです。

「物乞い」との違いは、僧侶の側が「お布施をする機会(徳を積む機会)」を与えているのです。なんだか詭弁のように聞こえるかもしれませんが、「信仰」の厚い国では全く不思議なことではありません。

日本の「お檀家さんまわり」と違って、毎日違う場所を歩いているようです。道理で今まで出会わなかったはずです。しかし、このオレンジの傘、お寺で支給されるのでしょうか? 気になります。

さて、今日は材料の買い出しです。水引を大量に持って来たので、作品を作ろうと思います。

今回の滞在、発表の義務はないのですが、やはりアーティストは作品を通して想いを伝えるのが一番良い気がします。そして、「もしカンボジアで作品を作ろうと思ったら、どれくらい大変なのか」を知りたいのです。

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案の定、かなり大変なことがわかりました。

北海道なら「ホーマック」で簡単に買える木材が、全然売っていません。Daraに連れて行ってもらった店には角材がなく、板から切り出さなければいけないそうです。この通りは「木材通り」で、写真の店は全て同じような木材屋さんです。

木材が必要なら「木材通り」へ、画材が必要なら「画材通り」へ行かなければいけません。しかし僕はその場所も知らなければ、自力で動ける移動手段もありません。たぶんDaraがいなければ、角材一つ探すのに3日以上はかかっていたと思います。

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結局、先ほどの通りでは必要な細さの角材は見つからず、別の場所へ。ここには製材された板が大量にあり、ここでまず、板を買います。とりあえず清算だけして板は置いたまま、再び角材探しへ。

その後なんとか角材を見つけましたが、その店ではカットできません。2mの角材を持ったまま、バイクの後ろに乗り、板の店へ戻ってきます。Daraは遠慮なく突っ走るので、腕がもげる(ちぎれる)かと思いました。

最後は、かき集めた角材と板をトゥクトゥクに無理やり乗せて、僕らはバイクでSSAPまで誘導します。なんとか材料は揃いましたが、次は角材のカット。SSAPの手鋸で。

と思ったら歯がボロボロで、明日新しいものを買いに行くそうです。

ということで、今日は角材のヤスリがけ。しかし良い紙ヤスリがなく、先にカッターで板のカット。唯一、ある程度の道具がまとめて揃うのは「イオン」です。イオンのダイソーで足りないものを調達。

結局パネル一つ作るのに3日近くかかりました。

2/7() 【カンボジア滞在21日目】

ということで、今日もパネル作りをしています。

午後からSSAPでイベントが始まったので、ちょっと覗きます。なんだか、みんな必死に、雑音の混じったラジオ音へ耳を傾けています。

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古いカンボジアの国営ラジオを聞くワークショップでした。これを行なっていたMaggieさんは、アーティストというより研究者のようでしたが、題材をアートだけに絞らないSSAPの視野の広さを心強く感じました。

ちょうど日本からリサーチに来ていた北海道教育大学准教授の方と一緒に、イベント恒例の打ち上げへ。一人で悶々と考えていたカンボジアのアートについて、日本人とお話できて良い機会になりました。

もっとお話したかったのですが、まだパネル作りが。帰ってヤスリがけの続きです。

2/8() 【カンボジア滞在22日目】

パネル作りはもう少し工程が残っていますが、一旦手を止めて。

それよりも、今日はイベント盛りだくさんの日です。今日はカンボジアの「仏日」。そこで、朝5時半から通訳のTotoさんに来てもらい、パゴダへ。

以前のお寺巡りで行った「Wat Thann」へ行きます。

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まだ暗いうちに到着。僧侶たちがぞろぞろと外へ出て行きます。数名はバイクの後ろに乗って。きっと遠くまで托鉢に向かったのでしょう。

6時くらいに日が昇り始め、すでにたくさんの人が建物の中で何かをしています。それぞれの手には銀色のお弁当箱のようなもの。それを、中心に座っている一人の僧侶の前へ並べます。すると僧侶がお経を唱え始め、お弁当を持って来た人たちは、手を合わせて聞いています。

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お経が終わると、弁当箱を持って別の場所へ。そこにはたくさんのお皿が並べられており、ご飯の入っているエリア、果物の入っているエリア、惣菜の入っているエリア。どうやらお弁当箱の中身をお皿に移し替えているようです。日本のお寺では、法要の際、檀家さんが集まってきて食事を作ります。こちらではそれぞれ持ち合わせですが、雰囲気は似ていますね。

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ある程度、人が揃い始めたところで、いわゆるお説教が始まります。

ほとんどが、おじいちゃん、おばあちゃん達なのは日本と一緒ですね。ただ、一緒に行ったTotoさんも、ちゃんと手を合わせています。若い人にも信仰心があるところは日本との違いです。

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もう一つ気になる違いが「座り方」です。みんな正座を崩した時のような座り方をしています。実はこれが正しい座り方なんです。他のパゴダでも、お祈りする人は必ずこの座り方をしています。正座よりは負担が少なそうですが、正座に慣れている身としては、なかなかこの座り方に馴染めません

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お説教をする僧侶はこんな椅子に座っています。ここまでは、日本の法要に参列しているような気になるほど、共通点も多いですね~。

重要なのは「話の長さ」。30分も経たないうちに終わりました!

そしてここからが僕の一番見たかったコーナーです。先ほど取り分けられていた食事を、僧侶達が食べるのです。

鐘のような音を合図に僧侶達が集まってきました。そしてズラ~と並んで机に座ります。意外だったのが、後ろを向いて食べる点。確かに、人に見られながら食べるには嫌ですよね。

僕は、食事作法を人前で見せるパフォーマンスを行うので、自分の食事をじ~っと見られるのが、いかに緊張するかがわかります。

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では何故、わざわざ彼ら僧侶たちは人前で食べるのか?

それはきっとこういう理由だと思います。先日の托鉢の際にお話したように、僧侶へ持ってきた食事は「お布施」です。それが、しっかりと僧侶の口に入り、彼らがその食事を糧にして「仏道」に精進することが大事なのです。だから、あえて「お布施(食事)」を持ってきてくれた方々の前で、食することが重要なのだと思いました。

さて、今日はもう一つ重要な仕事があります。

今日は、Pokoさんが教鞭をとる「メコン大学」で生徒さんたちにインタビューをさせてもらうのです。Pokoさんは大学で経営を教えています。ただ経営を教えるだけでなく、どのようにして仕事に責任感を持てるようになるのか、どうやったらスムーズかつ健全に組織を動かすことができるのか、実際にワークをさせながら彼ら自身で考えられるように仕組みを整えています。

本来は働く大人の背中を見て、仕事への姿勢を学んでいくものですが、カンボジアではその大人の層が大量にいなくなっています。ですから、まずその姿勢から身につけさせる必要があるのだと思います。

ただでさえ外国の資本が多い国ですから、カンボジアのおおらかな環境だけでは仕事を掴んでいけません。多種多様な人たちとスマートにコミュニケーションをとり、自分の価値をアピールして自主的に仕事を作る必要があります。

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そんな大切な授業にお邪魔させていただき、まずは自己紹介。

アーティストとして、カンボジアの若者の「信仰」をリサーチしにきていることを伝え、先日つくった「信仰」に関するアンケートに協力してもらいます。

そして、10人ほどに立候補してもらい、インタビューを撮らせてもらうことになりました。

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協力してもらうことになった10人と共に、近くのベーカリーへ。それぞれ好きな食事を注文してもらい、順番にインタビューを撮影していきます。

ここでも通訳のTotoさんが大活躍。というよりも、彼がいなくてはインタビューが成り立ちません。僕は横で写真を撮っているだけですが、Totoさんのお陰でなんとか10人を撮り終えました。

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その後、Pokoさんの知っているパゴダが近くにあるというので、Totoさんと3人で行ってみました。立派な建物が1つありますが、残りの2つが壊れてしまったらしく、目下改装中。

ここのお寺で更にもう一人のインタビューを行うことができました。このお寺にいた若い僧侶です。

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快くインタビューを受けてくれた代わりに、「一緒に写真を撮りたい」とおっしゃります。「むしろいいんですか?」とばかりに、しっかり並んで撮影させてもらいました。そして最後にFacebook申請までしてくれて? いやいや、意外な展開となりました。

「え?お坊さんがFacebook?」 ですよね。

カンボジアの若者は相当な確率でFacebookをやっています。そしてカンボジアの僧侶は自分の意思で出家し、自分の意思でまた世俗化できるので、僧侶になる前に始めたのかもしれません。

そこは世代間の感覚的な違いが大きい気がします。カンボジアにはそもそも普通の有線電話が見当たらないので、たぶん彼が生まれた頃には、すでに携帯電話が唯一の通信手段だったはずです。

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最後に「CJCCCambodia-Japan Cooperation Center)」へ行きました。カンボジアと日本の相互理解と協力を推進し、カンボジアのための優秀な人材を育成する場所です。この隣には、「IFL王立プノンペン大学外国語学部」があり、Totoさんはここの日本語学科を卒業しています。

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このあたりには、カンボジアで最も有名な建築家「ヴァン・モリバン」氏の建築がたくさん立っています。この建物も非常にユニークな作りをしていますよね。滞在5日目に紹介した独立記念塔も彼の作品です。

今日は本当に盛りだくさんの日でしたが、帰ってパネル制作の続きをしなければいけません

2/9() 【カンボジア滞在23日目】

テクニカルアシスタントのSoklengとインターンのSovankongに手伝ってもらい、なんとかパネル1枚完成です。

やっと少し生活に慣れて来たのと、木屑だらけの服で外へ出るのが面倒なので、パスタを作って食べています。とは言いつつも、夕方からDaraの働く「TINI CAFE」へ。

滞在中にSSAPで展示をさせてもらえることになったので、明日のワークショップと共に、展示の打ち合わせをします。このカフェにはナイスな作品が飾ってあったり、アート系のイベントも行われます。そしてコーヒーがうまい。

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通り道にある「International School」。扉は厳重ですが、中からは子供たちのはしゃぐ声が聞こえます。プノンペンにはかなり多くの「International School」があります。だからみんな英語が話せるんですね。

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Daraとの打ち合わせの後、もう一つ打ち合わせです。昨日紹介した「CJCC」で毎年行われている、日本とカンボジアの交流イベント「Japan-Cambodia Kizuna Festival」に作品を置かせてもらうことになりそうです。

もともとPokoさんがブースを出店する予定になっていたのですが、内容は決まっておらず、日本との交流イベントなので「水引」はちょうどいいんじゃないかという話になったわけです。

そこで今日は、実際に出店ブースを運営する日本人大学生との打ち合わせです。僕の作品は、置くことは置くのですが、さすがに作品自体を販売できる場所ではありません。

結局、大学生が水引を使ったアクセサリーを自分たちで作り、売ることになりました。

つまり、先日のワークショップを手伝ってくれていた大学生はこの子たちだったんですねぇ。僕はワークショップを手伝ってもらい、彼らは商品となる水引作りのノウハウを学ぶ。Winwinです。夜遅くまでSSAPで商品の構想を練っていました。水引結びを習得しながら。

そして、明日のワークショップは前回と違って大人向けワークショップです。なので、水引の意味や、ワークショップの目的なども説明できるようにしておかなければいけません。今度もちゃんと人が集まるでしょうか

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第一弾第二弾第三弾も、ぜひ読んでみてくださいね。

次回更新もお楽しみに〜。

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S-AIR Award: 風間天心さんカンボジア滞在記③

S-AIR Award(レジデンス派遣プログラム)で、Sa Sa Art Projectsとの連携によりカンボジア・プノンペンに滞在中の風間天心さんから、滞在記第三弾が届きましたのでご紹介します。

SSAPと、自身のスタジオがある札幌の「naebonoアートスタジオ」との比較、アンコール遺跡の物量に圧倒される様など、今回も盛りだくさんです。

※風間さんの滞在記は随時届き次第、更新予定です。


1/27() 【カンボジア滞在10日目】

僕が滞在している間、SSAPではずっと展覧会が行われています。と言っても日曜~火曜は休廊ですが。

先日サウンドワークショップを行っていた「Arnont Nangyao」の個展です。

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Khvay Loeung」というユニークなお爺ちゃんを追いかけていて、ワークショップもこのお爺ちゃんと共に行なっていました。

実はSSAPから歩いて5分ほどの距離に「トゥール・スレン博物館」があります。かの「*クメール・ルージュ」によって多くの人間が収容・尋問された結果、殺害された刑務所(Security Office 21)です。

刑務所として利用される前は高校だったため、建物の作りと使用方法にかなりのギャップを感じさせられます。実際に使用された拷問器具など、かなり生々しい状態で保持されています。

SSAPには僕以外にも常に1~2人が寝泊まりしていますが、帰っても誰もいない夜があります。

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真っ暗な共有スペースにうっすらと葉陰が落ちます。このすぐそばにトゥール・スレンがある事を思い出すと当時の状況や服役者に思いを馳せてしまいます。

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*「クメール・ルージュ」とは、「ポル・ポト」を中心とした政治勢力、武装組織。活動期間は1968-1996年。プノンペンなどの大都市を占領し、市民を農村へ強制移住させて強制労働(農業)を強いる。学校や病院を閉鎖し、貨幣を廃止し、宗教を禁止し、富裕層・各種専門家・知識人階級とその関係者らを大量殺戮した。

1/28() 【カンボジア滞在11日目】

滞在中に開催するイベントの準備が進んできており、外に出られる時間が少なくなって来ました。

先日SSAPのメンバーとランチを行なった際の写真です。

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彼らはおおよそ僕と同じくらいの年代のアーティスト達で、週に一度くらいは必ず集まってミーティングを行なっています。

写真左から、LIM Sokchanlina(SSAP共同創設者) VUTH Lyno(アートディレクター、SSAP共同創設者)KOURN Lyna(公式プログラムコーディネーター)Sosoth Sovankong(インターン、SSAPに寝泊まり)Sokleng Launh(テクニカルアシスタント、空港へ迎えに来た)KONG Dara(滞在者コーディネーター、僕の世話係)Arnont Nangyao(現在展示中のタイのアーティスト、SSAPのスタッフではないが滞在経験もあり皆と仲が良い)KHVAY Samnang(SSAP共同創設者)。

昨年から札幌でスタートした「naebonoアートスタジオ」も同世代のアーティスト達が運営しています。両者は「作家個別のスタジオが主軸」と「作家の交流や企画が主軸」など、いくつかの点で違いがありますが、二つのグループを比較してみると、それぞれのメリットや課題が見えてくる気がします。

せっかくなので、ここでカンボジアの料理を紹介。(この時食べた料理ではありません)

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蓮を使ったサラダ。蓮は料理だけでなく、祭壇に供えたり様々なタイミングでみかける存在です。

「アモック」という茶碗蒸しのような料理。

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店によって違いはありますが、味も食感も日本人好みの料理です。

1/29() 【カンボジア滞在12日目】

忙しくなる前に、急遽アンコール遺跡へ行くことに決めました。早速、飛行機とホテルを予約。

夜にシェムリアップ空港に到着し、トゥクトゥクでホテルまで。プノンペンに比べると更に舗装が悪いので、砂埃がひどくて目を開けていられません。車にしておけばよかったと後悔。

ホテルのロビーには、どこのお店で見かける中国系の神棚。ここの物は色合いも美しく立派です。

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日本のように高所に祀られるものもありますが、このように床に置かれるのも一般的です。

シェムリアップの街で夕食を探します。中心部の一角なので、すぐに繁華街に入りますが、遺跡を見にきた事を忘れてしまうぐらいの喧騒です。夜が深まるにつれてすごい人混みになります。

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同じ場所を昼間に見直すと、夜は見えなかったカラフルな傘がぶら下がっていました。

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1/30() 【カンボジア滞在13日目】

ホテルで呼んでもらったトゥクトゥクでアンコール遺跡へ。周遊するコースを3つくらい用意しているみたいですが、最短のコースにしてもらいました。

ちなみに「アンコール・ワット」の周辺には広範囲に遺跡が点在しています。

はじめに「バンテアイ・クディ」という遺跡へ。上智大学アンコール遺跡国際調査団の看板が。ここが遺跡の初見だったせいもありますが、僕はここが一番よかったです。何よりも人が少ない。

内部にある仏像上部にカラフルな旗が。

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一人のおばあちゃんがしきりにお参りを進めていました。

次に行ったのが「タ・プローム」。トゥームレイダーのロケ地らしく、いろんな人に何度も言われました。

かなりの部分にスポアン樹木(ガジュマルの一種)が覆いかぶさっています。

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他にもいくつか遺跡を回りましたが、昼食を挟んでやっと一番巨大な「アンコール・トム」へ。

と思ったら変な場所で一旦止まります。「友達にお金を返すから」と友達を待ちます。その間に運転手の彼と小話。彼には両親がおらず、妹と2人、近郊の町で暮らしているそうです。

「アンコール・トム」はとても広大な敷地で、その中にもかなり巨大な遺跡がいくつもあります。写真ではその身体感覚が全然伝わらないので、彫刻の近景をいくつか。あまりの物量に一人の表現者として想像がまったく追いつきません。

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修復されている箇所もかなりありますが、かなりの部分が発見されたままの配置で、石が点在して立っています。写真は「ガルーダ」と思われる何かの一部。

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駆け込みで「アンコール・ワット」に到着。内部では僧侶たちが占いをしています。

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装飾の細部、自然との関係性からも、技術以上の何かを感じ、西洋の遺跡よりも心底惹かれる遺跡群でした。

わざわざ僕がいうまでもありませんが、とても1日では満足できません。

最後にお決まりの構図を一枚。

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1/31() 【カンボジア滞在14日目】

今日はカンボジアの祭日「ミアック・ボーチァ(万仏祭)」です。

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シェムリアップにあるお寺に来ました。お寺に来ておきながら、建設現場が気になってしまいました。

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製材されていない木が整然と立てられており、用途が気になります。

今更ですが、もともと暑いのが得意ではないので、日に日に疲れが溜まってきました。

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改めて遺跡を見に行こうかと迷いながらも、体力回復のために早めにプノンペンへ帰ろうかと思い、飛行場でフライトを1本早めようとトライしましたが、ギリギリ間に合いませんでした

このタイミングに空港のレストランでこのブログを書いています。

明日はSSAPで僕の「アーティスト・トーク」です。


シェムリアップのお寺の彫像、何気に破壊力あるシーンが表現されていますね。

先週末にSSAPで開催された、天心さんのトークやWSのことも気になりつつ。次回更新もお楽しみに〜!

 

S-AIR Award: 風間天心さんカンボジア滞在記②

S-AIR Award(レジデンス派遣プログラム)で、Sa Sa Art Projectsとの連携によりカンボジア・プノンペンに滞在中の風間天心さんから、滞在記第二弾が届きましたのでご紹介します。

国立博物館やパゴダ巡りなど、精力的に視察をしている模様。アーティストで僧侶でもある天心さんの眼に映る、寺院とその周辺の風景をお楽しみください。

※風間さんの滞在記は随時届き次第、更新予定です。


1/22() 【カンボジア滞在5日目】

2/1SSAPで予定しているアーティスト・トークのために、通訳を紹介してもらいました。その後、僕の世話役をしてくれているDara にモバイルショップへ連れていってもらい、カンボジアでの電話番号を取得。

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帰りに「独立記念塔」へ。1958年にフランスからの独立を記念して建てられたもの。

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その隣にはノロドム・シハヌーク前国王の像。

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動乱期に2度、王、首相となり、大統領にもなった。

いくつかのリエル紙幣に肖像が描かれています。

1/23() 【カンボジア滞在6日目】

iPhoneに入れたアプリ「PassApp Taxi」でトゥクトゥクを呼び、国立博物館へ。道で声をかけてくる流しに乗ると倍くらいボッタクられたりするので、ちゃんと距離計算してくれて安心です。

博物館は「プレ・アンコール期」「アンコール期」「ポスト・アンコール期」の3セクションに分かれています。造形的側面からも歴史的側面からも充実した内容です。

館内は撮影禁止なので、入口にある「ガルーダ像」のみご覧ください。

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ガルーダはインド神話に登場する架空の動物で、日本でいう「天狗」。最近なら「鳥人」です。

日本でいう修学旅行生みたいな集団にぶつかりました。

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若い僧侶たちもチラホラ見かけます。

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仏像の歴史を勉強しにきているのか、仏像を拝みに来ているのか判断が難しいところですが、たぶん前者です。ガイドに案内されていたり、写真を撮ったり、たまに携帯で話したりしています。

博物館なので当たり前の行為なのですが、オレンジの僧衣だと気になってしまいます。「博物館・美術館で鑑賞する仏像」と「お寺で拝む仏像」のちがい。これは日本でも同様に起こりうるギャップです。

博物館の隣には国立芸術大学があり、その横には絵画などを売る店が並んでいます。

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古い佇まいのお店にはよく、中国由来と思われる漢字が書かれた「神棚」らしきものがあります。ここのお店にも絵画に埋もれて2つあります。奥の右上と真中下。

1/24() 【カンボジア滞在7日目】

今日はカンボジアの「Buddha’s Day」です。「満月、上弦、下弦、新月」のタイミングで月に4回あるようです。

プノンペンの名前の由来になっている「ワット・プノン」へ。

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「ワット」はお寺全体、「パゴダ」は仏塔。(日本では「五重の塔」など)のことを指しますが、みんなお寺のことを「パゴダ」と呼んでいる気がします。

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内部はそれほど広くありませんが、装飾が美しく、「プンピアット」という打楽器の合奏も相まって、日本のお寺とは少し違った趣があります。祭壇の前にはひっきりなしに人が来て、合掌した状態の手に線香を持ち、熱心にお祈りをしています。

そこから程近い「セントラルマーケット」へ。プノンペンには沢山のマーケットがありますが、このセントラルマーケットを中心にして町が広がっています。

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大きな建造物では装飾品が、周辺では衣類や食品などが売られています。

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全体を覆い尽くす「緑のネット」が屋根代わりになっていますが、カンボジアでは工事現場や建築用ネットにも全て同じ緑のネットが使用されています。

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夜はSSAPのスタッフに誘われて「フレンチ・インスティチュート(Institut Francais-Cambodge)」へ映画の上映会に行きました。

ここでは毎日のように各種イベントが行われており、今週はカンボジア映画週間だそうです。今日の上映会は「Golden Slumbers」という映画で、若干34歳のDavy Chou」監督による2011年の作品。彼の祖父は有名な映画プロデューサーだったそうです。

1960(初のカンボジア映画)1975(クメール・ルージュの到着)の間に制作された400本の映画は、現在30本しか残っていないそうです。

クメール語からフランス語への翻訳なので、内容は正直よくわかりませんでしたが、残念。

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1/25() 【カンボジア滞在8日目】

先日のトークで知り合った日本人の「Poco」さんに案内してもらい、プノンペンのパゴダ巡り。

最初のお寺は「Wat Thann」。入口付近では、障害者が工芸品などを制作しています。こちらのお寺では、僧侶だけでなく、寺男や様々な職種の人たちが敷地内で生活しています。

食堂に入ると机が並んでおり、ここで僧侶が食事をするそうです。

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僧侶の食事はいわゆるお布施で、僧侶が食べ終わると今度は、家や仕事のない貧しい人たちが食べるようになっています。

このパゴダでは、たくさんの僧侶が生活しており、あらゆるところに僧衣が掛けられています。

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次は「Wat Preahyouvong」。入口には沢山の神棚が並んでいます。

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これは家の中にではなく、家の前に置くものです。大抵は黄色や金色をしていますが、大きさや装飾、色合いも様々。

すぐそばで、女性が色塗りの作業をしていました。他の場所でも女性がお寺の装飾を作っていました。

ここのお寺の本堂に辿り着くまでには、狭い路地が入り組んでおり、沢山の家が並んでいます。

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それぞれ簡単な食材やお菓子、雑貨などを売っており、このお寺の周辺で一つの町ができています。

3つめは「Wat Botum」。ここはかなり大きなお寺です。建物も大きなものが沢山建っています。その中でも特に広いホールのような場所へ。

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金色に輝く正面の仏像と、天井一面に描かれた絵にも圧倒される空間でした。ここはかなり大きな儀式が行われる場所のようです。

最後に訪れたのが「Wat Ounalom」このお寺では、仏教だけでなく、ヒンドゥー教や様々な文化の影響を受けたもので溢れています。裏手にはカンボジアで亡くなった日本人2名のお墓がありました。

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一人はボランティア活動家、一人はジャーナリストです。いずれも「クメール・ルージュ」時代に亡くなっています。

1/26() 【カンボジア滞在9日目】

何度も近くを通っていましたが、やっと「王宮」の中へ。

今日は王様がいないので、中へ入れる場所が多くありました。英語ガイドに案内されて、「王宮」と、その隣にある王室の仏教行事が行なわれてきた場所「シルバーパゴダ」を見学しました。

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シルバーパゴダの名前の由来は、床一面に銀のタイルが敷き詰められているからです。

カンボジア人の大半は仏教徒ですが、王室では今も「仏教」と「ヒンドゥー教」両方の儀式があり、それぞれの衣装や道具も同様に揃っているそうです。

シルバーパゴダの壁面には360度、壁画が描かれており、多くの部分が風雨による侵食を受けています。

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少しずつ修復し続けているのですが、修復費用が追いついていないそうです。

夜は国立博物館で毎晩行われている「プラエ・パカア」を鑑賞。

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民間の芸術団体「カンボジアン・リビング・アーツ」による様々な伝統舞踊が見られるショーです。

この団体のアーティストたちも、もともとSSAPがあった「ホワイトビルディング」にいたそうです。「ホワイトビルディング」については後ほど改めて紹介します。


※寺町の雰囲気は、日本と似た印象を受けますね。次回更新もお楽しみに〜。

S-AIR Award: 風間天心さんカンボジア滞在記①

S-AIR Award(レジデンス派遣プログラム)で、Sa Sa Art Projectsとの連携によりカンボジア・プノンペンに滞在中の風間天心さんから、滞在記が届きましたのでご紹介します。

※風間さんの滞在記は随時届き次第、更新予定です。


1/18() 【カンボジア滞在1日目】

プノンペン国際空港で直接VISAを取得して、無事入国できました。僕の滞在先はカンボジアの首都であるプノンペン市内にあります。

空港へ迎えに来てくれた El Leng と共に「トゥクトゥク」で滞在先のSa Sa Art Projects(以後SSAPに省略)」へ。

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SSAPでは、常駐している「Dara」と「Lyna」が迎えてくれ、軽く施設を案内してくれました。

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僕にはベッドルームとスタジオが与えられ、他にはギャラリースペースや事務所があります。

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SSAPのスタッフやアーティストらと一緒に夕食へ。いきなりバイクのニケツです 笑。こちらには信号があまりなくて、交差点では、ほとんど「勘」で譲り合っています。

カンボジア料理を堪能して、本日は就寝。

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さすがに雪国(-10)から南国(33)への移動は体にこたえます

1/19() 【カンボジア滞在2日目】

少し疲れが出てきたので、スタジオで荷物の整理をしてから、近場を歩いてまわりました。町を歩いてすぐに気になったのが「電線」の異常な重複。

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そして道には「歩道」という存在がありません。みんな移動はバイク(2~3人のり)車のみで、歩いている人は皆無です。むしろ歩行者が車の邪魔になっている気がしてきます。

10分に一度の確率で、「トゥクトゥク」や「普通のバイクに乗っているおっさん」に「乗ろうぜ!」と声をかけられます。

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*トゥクトゥク:三輪式のタクシー。カンボジアではバイク後部に客車を接続したタイプも。

とにかく全ての距離が近い。身体的にも、精神的にも。多くの場所が舗装されていないので、境界線が曖昧です。

そのため、人バイク動物、全てが接触スレスレで動いている感じ。行き交う人どうしの境界線もすごく曖昧で、こちらが距離をはかる間も無く、瞬時に親しみが生じます。

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1/20() 【カンボジア滞在3日目】

現在SSAPで展示しているタイのサウンドアーティスト「Arnont Nongyao」がワークショップを行うので、スタッフのバイク(ニケツ)に乗ってついて行きました。

ワークショップ会場はスタジオから遠く離れていて、いわゆる「郊外」の雰囲気。会場は普段、撮影に使われるスペースらしく、想像していたよりもずっと広いです。

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日用品などを使って、音とリズムを身体感覚で感じる「サウンドワークショップ」。

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ワークショップの準備中に、僕はちょっと外へ出て、あたりを歩きます。

近所の子供たちがサッカーをしてはしゃいでいたり、隣の商店のおばちゃんは、カップヌードルに黙ってお湯を注いでくれたり、市街地よりも更に親密な空気です。

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街並みの中に突然、だだっ広い空間が現れます。高いビルも時折現れますが、ほぼ未完成。全てが現在進行形で作られている最中です。

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夕方からはタイの映像作家「Pathompong Manakitsomboon」のアーティストトーク。

映像作家なので、同じくタイの映画監督「アピチャッポン」の名前が出たりして、過去の映像作品から文脈をたどるような内容が多く、アートに詳しくない観客は途中から少し退屈している様子でした。彼の作品は魅力的なので勿体ないな、と。

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夜は川辺にある店で打ち上げです。

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2人のタイ作家以外にもカンボジア外からアーティストが訪れていて、アジア周辺国のアーティストは頻繁に行き来して活動しているようです。

今夜はカンボジアへ来てはじめて日本人の方と会い、新たな情報をたくさん得ました。滞在中の活動にも広がりが出そうです。

1/21() 【カンボジア滞在4日目】

日曜日なので、イオンモールへ行きました。歩いて。どこのお店も日曜営業していますが、やはりイオンは家族連れで混雑していました。

1.9ドルショップで生活雑貨を購入。短期滞在者には非常に助かります。ちなみに現在、約「1(アメリカ)ドル 110(日本) 4000(カンボジア)リエル」。食事やタクシーなど多くの支払いは、ドルで支払ってリエルのお釣りがきます。

旧正月・春節(2月中旬)が近いので、いろんな飾りが売っていました。

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春節は中国のイメージですが、文化的には様々な形で中国との交わりを感じます。植物への強引な飾りつけはどこの国も同じですね。僕は嫌いじゃありません。

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ずっと気になっていたスタジオ向かいの派手なビルは「カラオケ」だそうです。

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ただし「KTV」という、いわばキャバクラのような営業スタイルのお店。はじめて知りましたが、いかがわしい雰囲気は十分に感じとれましたヨ。


※バイクの二人乗りで、スタッフとも一気に親しくなりそうですね!次回更新もお楽しみに〜!