空港でアニメ、駅で生賴範義展

連日まんがとまちなか散策、歓迎会、余市への遠出と盛り沢山なハスリンさんに追い込みをかけるかのように、この日は6 新千歳空港国際アニメーション映画祭と、生賴範義展の二本立てツアーをしました。撮影禁止の場所も多かったので、ハスリンさんのスケッチブックからも見せていただきます。

手塚治虫と、先日の余市ミニ旅行で覚えた「ほんとうに?」

苗穂駅には各駅停車しか停車しないため、乗り換えをしながら、いろいろゆっくりとお話を伺えました。
最近詰め込みすぎているので、備忘のためにメールを送ると「最近はわくわくしすぎて眠れないぐらいです」とハスリンさん。家族との生活を優先させるために、家とスタジオを一緒にして、新しい生活を始めたばかりとのこと。3人目のお子さんも生まれて、家を出て2ヶ月もレジデンシーに参加するのは、大変なことだろうと思います。

道にちょっと迷ったのも反映されています

この9月にも3度めの来日でウイマㇺ文化芸術プロジェクト参加のヨンチア・チャンさんとはお友達なのですが、4年ぐらい前にハスリンさんが発表をせずに家で作品作りだけに没頭していた時期に、ヨンチアさんから「一度レジデンシーに応募してみるといいよ」とアドバイスがあったそうです。海外のレジデンシ−は、S-AIRが初めてだったけど、「ここにこられて、いま世界を知ることは、とても大切だと実感しています」とのこと。有り難い言葉です。

映画祭は国内線と国内線それぞれのシアタースペースでの上映で、コンペティションなどは観客も投票に参加できて、しかも無料でした。空港という場所柄と子ども審査員制度も相まって、私たちの周りはほとんど15歳以下と外国の方ばかりでした。映画を静かに観るというよりは、一緒にため息をついたり、すすり泣いたり、おおっぴらにクスクス笑ったりしながら、朝から昼過ぎまで20作品近くの短編を詰め込みました。

映画祭以外にも空港の中で、札幌を舞台にした漫画の原画が飾られていたり、先日ハスリンさんと少しお邪魔した代々木アニメーション学院札幌校による「声優アテレコ体験」ブースがあったり…漫画アニメ大国日本を感じる空間が広がります。

 映画祭のファミリー部門やインターナショナル部門に登場したモチーフも描かれています

午後は札幌駅のエスタ11階プラニスホールで行われていた「THE ILLUSTRATOR 生賴範義展」の最終日に駆け込みました。
神戸生まれで、東京の芸大を出てからイラストレーターとなり、38歳で家族と共に宮崎を拠点・終の住まいとしたそうです。宮崎県は生頼さんが幼少期に神戸での大空襲後に疎開した場所でした。終生、イラストレーターとしての仕事をこなしながらも、画家としての仕事の合間に作品作りを続けました。依頼主のいない自分の作品の多くに戦争が描かれていました。

生頼範義と言う名前ではピンとこなくても、ハスリンさんや私ぐらいの1980年代生まれの世代なら、「スター・ウォーズ」シリーズや「グーニーズ」などで一度はその作品を目にしたことのある画家・イラストレーターです。「巨匠」などと簡単な言葉で表現するのははばかられますが、とにかく頭の中で考えたことを直接手に伝えるという意味で精巧で的確な作品を確実に生み出せる人だったのでしょう。原画から25cmぐらいの距離から見て、ようやく絵であることがわかるぐらいの写実的な絵もあれば、遠近法の効果や色使いを工夫して、ものの見方や、その感じ方を変えた人であるともいえます。これである一年は本の表紙だけで130作品…週3作品ペースに近く製作していたということで、私たち二人とも口をぽかんとあけている時間が長かったです。

油絵やデッサンを大学で教えることもあるハスリンさんにとっては「生頼の作品は、マレーシアの学生たちにぜひ見て欲しい」とのこと。私は油絵を描いたことがないので、色の乗せ方の順番などを、解説していただきました。

生頼さんは東京に住まない選択をし、それでも職業で食べていくら家族を養いながら作品を作ることもずっと続けました。依頼主の要求に応える姿勢を貫き、注文を受けた作品の主題の裏側などを考えるたり、観るものに感じさせようとしたら、それはクライアントとの決別であると、生活労働者としての、イラストレーターとしての自分のあり方についてステートメントを書いていました。
ちょうど朝に電車の中でハスリンさんと話したことと、つながるテーマでもありました。

お知らせ(仮)S-AIR Exchange Programme / naebono open studio
弊団体事務局のある、なえぼのアートスタジオは札幌を活動拠点とするアーティストが中心となって運営を行うアーティスト・ラン・スペースです。S-AIRで今年度招へいした上海のイー・リアン氏、ハスリン・イスマイル氏の滞在制作について展覧会とトーク(最終日)を通じて発表を行います。最終日には、シメに美味しい食事と音楽でパーティをしたいと考えています。料理、音楽などでお手伝いやアイデアを出していただける方を募集します
日程:2019年12月13日(金)~15日(日)
時間は未定
場所 なえぼのアートスタジオ内2F S-AIR事務局(中央区北2条東15丁目26ー28)
http://www.naebono.com/access
https://goo.gl/maps/EYgZgS6sBQ42
※お車でお越しの際は、なえぼのアートスタジオ前の駐車場ではなく近隣の駐車場をご利用ください。

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