S-AIR Award: 風間天心さんカンボジア滞在記③

S-AIR Award(レジデンス派遣プログラム)で、Sa Sa Art Projectsとの連携によりカンボジア・プノンペンに滞在中の風間天心さんから、滞在記第三弾が届きましたのでご紹介します。

SSAPと、自身のスタジオがある札幌の「naebonoアートスタジオ」との比較、アンコール遺跡の物量に圧倒される様など、今回も盛りだくさんです。

※風間さんの滞在記は随時届き次第、更新予定です。


1/27() 【カンボジア滞在10日目】

僕が滞在している間、SSAPではずっと展覧会が行われています。と言っても日曜~火曜は休廊ですが。

先日サウンドワークショップを行っていた「Arnont Nangyao」の個展です。

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Khvay Loeung」というユニークなお爺ちゃんを追いかけていて、ワークショップもこのお爺ちゃんと共に行なっていました。

実はSSAPから歩いて5分ほどの距離に「トゥール・スレン博物館」があります。かの「*クメール・ルージュ」によって多くの人間が収容・尋問された結果、殺害された刑務所(Security Office 21)です。

刑務所として利用される前は高校だったため、建物の作りと使用方法にかなりのギャップを感じさせられます。実際に使用された拷問器具など、かなり生々しい状態で保持されています。

SSAPには僕以外にも常に1~2人が寝泊まりしていますが、帰っても誰もいない夜があります。

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真っ暗な共有スペースにうっすらと葉陰が落ちます。このすぐそばにトゥール・スレンがある事を思い出すと当時の状況や服役者に思いを馳せてしまいます。

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*「クメール・ルージュ」とは、「ポル・ポト」を中心とした政治勢力、武装組織。活動期間は1968-1996年。プノンペンなどの大都市を占領し、市民を農村へ強制移住させて強制労働(農業)を強いる。学校や病院を閉鎖し、貨幣を廃止し、宗教を禁止し、富裕層・各種専門家・知識人階級とその関係者らを大量殺戮した。

1/28() 【カンボジア滞在11日目】

滞在中に開催するイベントの準備が進んできており、外に出られる時間が少なくなって来ました。

先日SSAPのメンバーとランチを行なった際の写真です。

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彼らはおおよそ僕と同じくらいの年代のアーティスト達で、週に一度くらいは必ず集まってミーティングを行なっています。

写真左から、LIM Sokchanlina(SSAP共同創設者) VUTH Lyno(アートディレクター、SSAP共同創設者)KOURN Lyna(公式プログラムコーディネーター)Sosoth Sovankong(インターン、SSAPに寝泊まり)Sokleng Launh(テクニカルアシスタント、空港へ迎えに来た)KONG Dara(滞在者コーディネーター、僕の世話係)Arnont Nangyao(現在展示中のタイのアーティスト、SSAPのスタッフではないが滞在経験もあり皆と仲が良い)KHVAY Samnang(SSAP共同創設者)。

昨年から札幌でスタートした「naebonoアートスタジオ」も同世代のアーティスト達が運営しています。両者は「作家個別のスタジオが主軸」と「作家の交流や企画が主軸」など、いくつかの点で違いがありますが、二つのグループを比較してみると、それぞれのメリットや課題が見えてくる気がします。

せっかくなので、ここでカンボジアの料理を紹介。(この時食べた料理ではありません)

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蓮を使ったサラダ。蓮は料理だけでなく、祭壇に供えたり様々なタイミングでみかける存在です。

「アモック」という茶碗蒸しのような料理。

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店によって違いはありますが、味も食感も日本人好みの料理です。

1/29() 【カンボジア滞在12日目】

忙しくなる前に、急遽アンコール遺跡へ行くことに決めました。早速、飛行機とホテルを予約。

夜にシェムリアップ空港に到着し、トゥクトゥクでホテルまで。プノンペンに比べると更に舗装が悪いので、砂埃がひどくて目を開けていられません。車にしておけばよかったと後悔。

ホテルのロビーには、どこのお店で見かける中国系の神棚。ここの物は色合いも美しく立派です。

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日本のように高所に祀られるものもありますが、このように床に置かれるのも一般的です。

シェムリアップの街で夕食を探します。中心部の一角なので、すぐに繁華街に入りますが、遺跡を見にきた事を忘れてしまうぐらいの喧騒です。夜が深まるにつれてすごい人混みになります。

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同じ場所を昼間に見直すと、夜は見えなかったカラフルな傘がぶら下がっていました。

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1/30() 【カンボジア滞在13日目】

ホテルで呼んでもらったトゥクトゥクでアンコール遺跡へ。周遊するコースを3つくらい用意しているみたいですが、最短のコースにしてもらいました。

ちなみに「アンコール・ワット」の周辺には広範囲に遺跡が点在しています。

はじめに「バンテアイ・クディ」という遺跡へ。上智大学アンコール遺跡国際調査団の看板が。ここが遺跡の初見だったせいもありますが、僕はここが一番よかったです。何よりも人が少ない。

内部にある仏像上部にカラフルな旗が。

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一人のおばあちゃんがしきりにお参りを進めていました。

次に行ったのが「タ・プローム」。トゥームレイダーのロケ地らしく、いろんな人に何度も言われました。

かなりの部分にスポアン樹木(ガジュマルの一種)が覆いかぶさっています。

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他にもいくつか遺跡を回りましたが、昼食を挟んでやっと一番巨大な「アンコール・トム」へ。

と思ったら変な場所で一旦止まります。「友達にお金を返すから」と友達を待ちます。その間に運転手の彼と小話。彼には両親がおらず、妹と2人、近郊の町で暮らしているそうです。

「アンコール・トム」はとても広大な敷地で、その中にもかなり巨大な遺跡がいくつもあります。写真ではその身体感覚が全然伝わらないので、彫刻の近景をいくつか。あまりの物量に一人の表現者として想像がまったく追いつきません。

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修復されている箇所もかなりありますが、かなりの部分が発見されたままの配置で、石が点在して立っています。写真は「ガルーダ」と思われる何かの一部。

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駆け込みで「アンコール・ワット」に到着。内部では僧侶たちが占いをしています。

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装飾の細部、自然との関係性からも、技術以上の何かを感じ、西洋の遺跡よりも心底惹かれる遺跡群でした。

わざわざ僕がいうまでもありませんが、とても1日では満足できません。

最後にお決まりの構図を一枚。

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1/31() 【カンボジア滞在14日目】

今日はカンボジアの祭日「ミアック・ボーチァ(万仏祭)」です。

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シェムリアップにあるお寺に来ました。お寺に来ておきながら、建設現場が気になってしまいました。

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製材されていない木が整然と立てられており、用途が気になります。

今更ですが、もともと暑いのが得意ではないので、日に日に疲れが溜まってきました。

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改めて遺跡を見に行こうかと迷いながらも、体力回復のために早めにプノンペンへ帰ろうかと思い、飛行場でフライトを1本早めようとトライしましたが、ギリギリ間に合いませんでした

このタイミングに空港のレストランでこのブログを書いています。

明日はSSAPで僕の「アーティスト・トーク」です。


シェムリアップのお寺の彫像、何気に破壊力あるシーンが表現されていますね。

先週末にSSAPで開催された、天心さんのトークやWSのことも気になりつつ。次回更新もお楽しみに〜!

 

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