S-AIR Award: 高橋喜代史さんフランス滞在記⑤

S-AIR Award(レジデンス派遣プログラム)で、Le Lieu Uniqueとの連携によりフランス・ナントに滞在していた高橋喜代史さんから、滞在記第5弾が届きましたのでご紹介します。

急ピッチで進む制作の、ハラハラ感が伝わる第5弾。展示はどんな感じになったのでしょうか?


2/19 (月)【フランス滞在15日目】

オリヴィエと待ち合わせして広いスタジオに移動。急にとてつもなくスタジオがデカくなった。来週の火曜日から展覧会だなんて、信じられない。。。

間に合うのか???

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横では、テクニカルスタッフがATLANTIDEの搬出撤去と次なるイベントへの準備。

2/20 (火)【フランス滞在16日目】

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こちらの道具も自由に使って良いとのこと。とてもありがたいが、ノコギリや卓上ノコとか、インパクトのビットなど勝手が違ってなかなか慣れないので苦戦を強いられる。

終日、制作。

2/21 (水)【フランス滞在17日目】

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展示プランを練る。終日、制作。

大丈夫だろうか?追い込まれてきた。

2/22 (木)【フランス滞在18日目】

美大とナント駅で写真撮影。

撮影はタイ人のChayarat Ritaramくんにお願い。

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2/23 (金)【フランス滞在19日目】

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終日、制作。

2/24 (土)【フランス滞在20日目】

映像の撮影でナントの中心部へ。

なんとなくナント協会のディディエさんが撮影を手伝ってくれて、なんとか撮り終える。

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終日、制作。

2/25 (日)【フランス滞在21日目】

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終日、制作の予定が、日曜日はスタジオが閉まるのが早いことを知らなかった。。。

明後日から展示始まるのに、まだ全然できてない。映像編集も手付かず。
間に合うのか?

2/26 (月)【フランス滞在21日目】

いよいよ明日から展示。

仕上げねば。夜は家で編集。

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なんとか、形が見えてきた。

2/27(火)【フランス滞在22日目】

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毎日、展示と場所が変わる「Studio de Migration」が始まる。

そもそもLieu Uniqueに来る人が多いので、その流れで展示も見てもらえる。

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旗、写真、映像、看板、植物、筆、木材、ペンキなどなど全長10m

27日と1日はディディエさんにびっちり通訳で入ってもらったので、お客さんとの会話も楽しかった。

2/28(水)【フランス滞在23日目】

今日はなぜだか、人が多く、昨日よりも質問も多かった。

今日の通訳はナントの美大に通う、みどりちゃん。すっかりお世話になりました。

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夜は、2017年の冬にS-AIRに滞在していたEVAが、パリのシテ・テザールでのレジデンスを終えてナントに帰ってきたので、EVAファミリーのホームパーティに招いてくれた。

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とーっても美味しくて、みーーんな優しくて、暖かいホームパーティでした。ナントに来て誰かと晩御飯を食べたのは、実はこれが最初で最後。ずっと一人でご飯を食べる生活もこれで終わり。日本のアニメ「シティハンター」と「グレンダイザー」と「キャプテン翼」の話でめちゃ盛り上がる。

EVAの両親は2人ともアーティストでありながら、この家の階下でPARADISEというギャラリーかつアーティスト・イン・レジデンスを運営しているとのことで、後日案内してもらいました。

これが面白い活動と場所で、S-AIRは次回このPARADISEとエクスチェンジしても良いかもと思いました。完全にアーティストランながら、住居もスタジオもギャラリーもあります。PARADISE TVとしてこれまでの活動アーカイブにも力を入れてます。

http://www.galerie-paradise.fr/

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3/1(木)【フランス滞在24日目】

展示、最終日。展示は無事に終了。

今回のレジデンスで課題と可能性が見つけることができたので、ここで得たものは日本でブラッシュアップさせたい。

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翌日の夕方からヒップホップの大きなイベントの搬入があるので、今日中に撤収を済ます。

展示も終え、時間がぽっかりとあいたので、周りの人達に色々と相談した結果、パリに行くことにしました。帰国までの3/2から3/6までパリに滞在し、その後ナントに戻りフラットを掃除したり、なんとなくナント協会のディディエさん、リュ・ユニクのみなさんとも別れの挨拶を済ませ、3/7に帰国しました。

この度はS-AIR AWARDでアーティスト・イン・レジデンスの機会を提供してくれた

NPO法人S-AIRとフランスのリュ・ユニークに感謝します。若手でない自分にとって、制作にだけ集中できる環境は本当に久しぶりの貴重な時間となりました。本当にありがとうございました!


高橋さん、お疲れ様でした!エヴァとの再会も嬉しい限り。

5回にわたる滞在記はこれにて終了ですが、S-AIRの2017年度記録集(現在、鋭意製作中)にも高橋さんから寄稿していただきます。

こちらもどうぞお楽しみに!

※全5回の高橋さんの滞在記はこちらにまとまっています。

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S-AIR Award: 高橋喜代史さんフランス滞在記④

S-AIR Award(レジデンス派遣プログラム)で、Le Lieu Uniqueとの連携によりフランス・ナントに滞在していた高橋喜代史さんから、滞在記第4弾が届きましたのでご紹介します。

「展示をする必要はない」と言うパトリシアと、「展示をしたい」高橋さんの、交渉の過程とは?どうぞお楽しみください!


2/13 (火)【フランス滞在9日目】

美味しいスープ屋さんで昼ごはん。メニューを選ぶのが一苦労で、写真もないからさっぱりわからず、いつも超適当に選んでます。浅はかですが、高いのから選んだり。。。

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ここ、スープも野菜もキッシュもどれもこれもめちゃめちゃ美味しいです!また来たい!!

午後からスタジオで作業。夜は、長い語り口調と人形劇とが合わさったfreres sorcieresを見る。

http://www.lelieuunique.com/evenement/freres-sorcieres/

2/14 (水)【フランス滞在10日目】

電気屋さんへお買い物。これがナントのヨドバシカメラ的なFnacです!

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Fnacのすぐ近くにあるロワイヤル広場。札幌市民にとっては大通公園でしょうか。

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広場を抜けると、、、我らがホーマック的Weldom!連日お世話になってます。

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今日も終日スタジオで作業。

パトリシアに提出していたプラン(構造物)だけども、パトリシアとテクニカルディレクターのオリヴィエで相談したところ、様々な理由から無理だと。そのため別のプランを提出してくれと言われました。構造物を移動するには狭い階段を使うので、運搬が難しかったり。予算的にも時間的にも厳しいと。

でも、このスタジオを使って展示するのは問題ないよ。と言ってくれたのでまずは一歩前進。でも、スタジオは奥の奥なのでわざわざここまで見に来てくれないよね〜。。。

考えます!

パトリシアと一緒にナント美術館へ。

これがまた素晴らしいコレクションの数々で、ナントでこの充実ぶりかと驚いた。

ヴィト・アコンチの映像が何十本も!

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アブラモヴィッチの映像が14本!

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アンリ・サラ、いい作品。

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アリギエロ・ボエッティ

コンセプトや構造とは裏腹にとても可愛らしいテクスチャー。アンリ・サラの作品とも少し呼応しているような色あい。。。

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アラン・カプロー

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オノ・ヨーコ

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そしてもちろん、デュシャンも。

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他にもボルタンスキーやアネット・メサジュ、ソフィ・カルなどもあり、フランスを感じさせるラインがズラリ。フランス勢に限らず、サンティアゴ・シエラやエヴァ・ヘッセなど、パフォーマンスや身体性の強いラインナップが特に素晴らしかったです。もちろん、絵画もリヒターなど抑えるところは抑えており。

ポルケ。これよかったなー。大胆な構図、ピカピカな表面。どうなってんだろう???

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もちろん、モネやピカソも。でもマネとマティスを見なかった。見たかったなぁ。

2/16 (金)【フランス滞在12日目】

昨日から4日間、小説、ライティング、書籍に関する大きなフェスティバル「ATLANTIDE」が始まっています。

外では古本屋さんが何軒も立ち並び、翻訳された日本の小説もけっこう見かけました。

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会場でも本が平積み。

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連日、3会場でシンポジウム、対談などをずーーーっとやってる。

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全部は見てないけど、どれもこれも対談、鼎談、シンポジウム形式で、一人が話すレクチャー形式はあまり見かけなかった。

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書くこと、読むこと、話すことがとてもとても大切にされているなぁと思った。いいイベント。

パトリシアからこの日の夜はいいDJが来るよと聞いていたんだけど、、、

「なんとなくナント」という日仏学生支援NPOの代表のディディエさんと飲みに行きました。お願いできそうな通訳さんとか、探し物を売ってる場所とか、ナントについて色々きいてみたくてコンタクトをとったら、まずは会いましょうと。ボランティアで日本人留学生を支援しているとのことでナントに留学をお考えの方は連絡してみてください。とても親身に相談に乗ってくれますよ。

http://nantonaku-nantes.jp/Wordpress/ja/%e3%83%9b%e3%83%bc%e3%83%a0%e3%83%9a%e3%83%bc%e3%82%b8/

ディディエさん行きつけのBAR「シャトラン」へ。1ヶ月の滞在中に通算4回通いました。すっかり常連だね(笑

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ディディエさん

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ナントのこと、調べてほしいこと、アルバイトや通訳さん、翻訳アルバイトなど色々とお願いして来ました。この後、ずっぽりとお世話になる事など予期せぬ出会い。夜もすっかりとふけ眠くなってきたので帰宅。

明日は大事なミーティング。パトリシア&オリヴィエとの三者面談。ドキドキ。

2/17 (土)【フランス滞在13日目】

通訳者を交えて、展示責任者のパトリシア&テクニカル・ディレクターのオリヴィエとの三者会議。

僕からの要望として、スタジオではなくチケット売り場の横などエントランス及びパブリックスペースでの展示。リュ・ユニーク側の意見として、当初のプランよりも、よりモバイルで、移動が簡単で、毎日監視と通訳をつけることを条件に、展示の話がまとまる。他のイベントとの兼ね合いもあり、僕が希望していたよりも早い日程での2/27-3/13日間で展示が決まる。ふぅ一安心。。。

ではなく、急に忙しくなってきた。10日後には展覧会。

2/18 (日)【フランス滞在14日目】

リュ・ユニークに向かう途中に素敵なお城
CHATEAU DES DUCS DE BRETAGNE
(ブルターニュ大公城)に寄ってみる。

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とても、素敵な場所。ここに住んでいた人は、どのような暮らしをしていたのだろう?

その後、スタジオで制作。木材を加工する必要があるため、

明日から大きなスタジオに移動。


「なんとなくナント」代表のディディエさんという頼もしい助っ人を見つけて、いよいよ本格的に制作開始ですね!

次回更新もお楽しみに〜。

法的要件?パフォーマンス?

今日は、ダンサーの東海林靖志さんがなえぼのアートスタジオにいらっしゃいました。21日のトークの前には、パフォーマンスがあります。今日は何やら色々と相談をしていました。

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展覧会のタイトル「法的要件」と関係があるようですが、何をしてるんでしょう?

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20日のパフォーマンスの後は、トークを開催します。

ジェレミーのトークは、展覧会では見られない現在制作中の日本における「仕事」に関するプロジェクトについても話をします。

S-AIRアワードで、ナントやプノンペンに滞在した高橋喜代史さんや風間天心さんのお話も必見です。皆様のご参加お待ちしております!

S-AIR冬期プログラム 滞在制作成果発表 ジェレミー・ハッチソン展覧会/アーティスト・トーク&S-AIRアワード報告会のお知らせ

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S-AIR冬期レジデンスプログラムでは、アーツ・カタリスト(イギリス)との連携により、ジェレミー・ハッチソンを招へい。グローバル資本主義経済の中で、消費者社会、労働、労働力といった概念を扱った作品を多く制作するハッチソンが、約1カ月に渡る札幌での滞在制作の成果を発表します。

★展覧会初日の3月21日(水・祝)には、ジェレミー・ハッチソンによるアーティスト・トークとS-AIRのアーティスト派遣事業「S-AIR Award」の派遣作家2名による報告会を開催!トーク前の18時から、ダンサーの東海林靖志さんとのパフォーマンスも行います。

ハッチソンは展覧会で発表する作品の他、現在札幌で取り組んでいる、日本の仕事文化を背景に、人間の労働や生産性に関して問いかけるプロジェクトについて語ります。

また、カンボジアのSa Sa Art Projectへ派遣した風間天心、フランスのLe Lieu Uniqueへ派遣した高橋喜代史に、それぞれの成果や体験を語ってもらいます。

皆様のお越しをお待ちしております。

※チラシダウンロードはこちらから

S-AIR冬期プログラム 滞在制作成果発表 ジェレミー・ハッチソン展覧会『Legal Requirements(法的要件)』

2018年3月21日(水・祝) 〜25日(日)

開館時間:13時〜20時 入場無料

会場:なえぼのアートスタジオ(札幌市中央区北2条東15丁目26-28)

ジェレミー・ハッチソンによるアーティスト・トーク&After AIR: S-AIR アワード報告会

2018年3月21日(水・祝)18時〜 入場無料 @なえぼのアートスタジオ

★トーク前の18時から、ダンサーの東海林靖志さんとのパフォーマンスを開催!

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「Human Work(人間 仕事)」 ジェレミー・ハッチソン

現在札幌で滞在制作中のアーティスト、ジェレミー・ハッチソンは、グローバル資本主義経済の中で、消費者社会、労働、労働力といった概念を扱った作品を多く制作しています。このトークでは、展覧会で発表する作品の他、現在札幌で取り組んでいる、日本の仕事文化を背景に、人間の労働や生産性に関して問いかけるプロジェクトについて語ります。

Arts Catalyst: http://www.artscatalyst.org

Jeremy Hutchison: http://www.jeremyhutchison.com/

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「フランスで考えたこと、40代からのAIRについて」 高橋喜代史

言葉やコミュニケーションを題材に制作を行う高橋喜代史は、受け入れ先である仏ナント市の芸術センターで「Studio de migration(移動するスタジオ)」と題した展覧会を開催しました。移民問題や右傾化の波で分断されつつある近年のヨーロッパで、どのような反応があったのでしょうか?

Le Lieu Unique ナント芸術センター: http://www.lelieuunique.com/

高橋喜代史: https://kiyoshit.exblog.jp

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「アジアにおける経済/信仰/アートの行方」 風間天心

僧侶でありアーティストでもある風間天心は、カンボジアで、現代アートシーンを引率するアーティスト・ラン・スペースのSa Sa Art Projectで滞在制作。「廃仏毀釈」の逸話を題材にした作品に対する現地の人々の反応、同国における若者の「信仰」についての調査内容について報告します。

Sa Sa Art Projects: http://www.sasaart.info/

風間天心: http://www.tengshing-k.com

shoji-s

ゲスト・パフォーマー:東海林靖志

2006年「瞬project」結成を機に舞台活動をスタート。舞踊家/振付家の平原慎太郎が主宰する「OrganWorks」、俳優の柴田智之とのユニット「鳥坊主」、柳本雅寛主宰「+81」にダンサーで参加。森山開次、島地保武、Carmen Werner、齊藤智仁(YUMENOKUNI)、橋口幸絵など、国内外のコンテンポラリーダンス作品、演劇作品にも出演。ヨガや独自に培ってきた身体技法をベースに、振付、異分野アーティストとの創作、さまざまな対象に向けたワークショップも精力的に行っている。

http://yasushi-shoji.com

 


 

S-AIR Exchange Programme 2017 冬期プログラム

主催 特定非営利活動法人S-AIR

助成  文化庁 平成29年度アーティスト・イン・レジデンス活動支援を通じた国際文化交流促進事業 / 札幌市さぽーとほっと基金助成事業

協力 Arts Catalyst  さっぽろ天神山アートスタジオ  なえぼのアートスタジオ

S-AIR Award: 風間天心さんカンボジア滞在記④

S-AIR Award(レジデンス派遣プログラム)で、Sa Sa Art Projectsとの連携によりカンボジア・プノンペンに滞在していた風間天心さんから、滞在記第四弾が届きましたのでご紹介します。

「廃仏毀釈」の逸話を題材にした自身の作品を紹介した時の地元の人たちの反応、ワークショップやインタビュー、カンボジアの現代美術事情(学生の増えている学科は…?)、プノンペンを語る上で欠かせない「ホワイトビルディング」について、カンボジアで作品を制作することの大変さなど、盛りだくさんの内容です。

じっくり読んでみてください!


2/1() 【カンボジア滞在15日目】

今日はSSAPが企画してくれた「アーティスト・トーク」です。

アーティスト・トークとは、アーティストが自分の作品や活動などを紹介しながらお話するイベントです。

6週間しか滞在できない身としては、早いうちに自分のことを知ってもらうのは大切です。

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18時からの予定でしたが、人の集まりをみて30分遅れでスタート。まずは自己紹介。僕の場合はまず、アーティストであり僧侶でもあることを説明する必要があります。

作品をいくつか紹介しながら、「信仰」をテーマに表現活動をしていることを伝えます。

あくまでも「宗教」ではなく「信仰」です。「宗教」という概念は、所属の違いを区別するためにある言葉で、それに対して「信仰」はそれぞれの内面にあるもの。つまり他人が判断することはできない「心」です。

日本人は「オウム真理教」の事件以降、特に「宗教アレルギー」が強くなっていき、「宗教」を題材にした作品は展示できないことがある。というような話もしました。

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トーク最後の質疑応答では、この作品「The diaspora」への関心が高かったです。

この作品は、僕のお寺の前身(東京中目黒にあった)「高(こうとうじ)」が、仏教のお寺でありながらも、「金比羅(こんぴら)さま」という神様を祀っていたために潰されてしまった「廃仏毀釈」の逸話を題材にしています。

「宗教はいつの時代も政治的な力の影響を受ける。」

クメール・ルージュに多くのお寺を潰され、多くの僧侶も殺されてしまったカンボジアでは、この逸話に対する共感があるようでした。

また「このようなものを展示する場合、これは宗教的な意味合いになるのか、美術的な意味合いになるのか、どちらでしょうか?」と言う質問もありました。

この質問に対して、前回の滞在記で書いた「博物館の仏像は拝むものなのか、鑑賞するものなのか、判断が難しい。」という答えをしたところ、さらに理解が深まったようでした。どんなモノでも、いわゆる「Context(文脈、脈絡、背景)」の違いによって、モノの見方が大きく変わるということです。これは国や文化の違いによっても頻繁に起こる問題です。

トークが終わったあと、事前に用意してあったアンケートに記入してもらいました。

今回の滞在では、カンボジアの若者の「信仰」をリサーチしに来たので、アンケートの内容は「信仰」に関する質問です。当然ながらアンケートはカンボジアの「クメール語」で書く必要があり、トークの通訳もお願いしたカンボジア人の男性「Toto」さんが、翻訳してくれました。

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そして、2011年にエスエアに滞在していた「タン・ソックThan Sok」も来てくれました。

彼も僕と同様に宗教的な儀式や素材を題材にしているアーティストです。

http://sasabassac.com/artists/thansok/than.htm

2/2() 【カンボジア滞在16日目】

昨晩はトークの後に、日本式のラーメン屋で打ち上げをしました。

そして帰ってくるとSSAPの前にこんなものが置いてありました。

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旧正月が近いので「神棚」を買い換える家庭も多く、古いものが捨ててあったのです。

もしかしたら作品に使えるかと思い、とりあえずスタジオに保管。

夕方からは、SSAPの近くにあるアートスペース「Kon Len Khnhom」で行われる古典舞踊のダンサー「Prumsodun Ok」さんのトークへ行きました。彼はカンボジア初の全員が男性から成るゲイによるダンスカンパニーの設立者です。

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アンコール・ワットの彫刻を例に出しながら、いかに舞踊が日常的なものであり、人々の信仰に関わっていたかを話してくれました。確かに遺跡に見られる彫刻は、彼の踊る動きと同じ形をしています。手足を大きくしならせて、美しい姿です。戦っているはずの戦士ですら、舞踊をするような形をとっています。「これでホントに戦ってるの?」と笑いをとっていましたが、つまり、彫刻の形から舞踊の形が生まれているのではなく、むしろ舞踊こそが先に存在していたのです。

最後は「なぜ現代人は、特に女性は、胸を晒すことに抵抗があるのか?」という彼の問いかけに、どんどん議論が盛り上がって、かなり時間をオーバーしていました。

彼がゲイだからこそ説得力のある問いかけですが、確かに現代は「性差」に対する表現規制がエスカレートしすぎている気がします。先日、アプサラのダンスを見に行きましたが、本来はもっと肌の露出が多かったはずだと感じました。

「男性は平気で胸を晒すのに、なぜ女性が晒すことには反発があるのでしょう?」。考えてみてください。

彼は「TED Talk」のスピーカーでもあるので、検索すればすぐに映像を見ることができます。

今晩トークが行われたこの「Kon Len Khnhom」はSSAPとも関係のある女性「Meta Moeng」さんが運営しており、彼女はカンボジアアート界では期待のホープと噂されている方です。アーティスト、キュレーター、研究者を繋ぐために様々な活動をしており、学生を育てる事にも力を注いでいます。

Prumsodun Ok

https://www.prumsodun.com

Kon Len Khnhom

https://konlenkhnhom.com

2/3() 【カンボジア滞在17日目】

今日は先日お寺を案内してくれたPokoさんの尽力で、急遽実現したワークショップの日です。

「カンボジアで子供向けのワークショップをしたい」という話をしたところ、Scholar Library

という子供が集まってくる図書館を紹介してくれました。

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ワークショップの内容は、日本でも度々行っている「水引」を結ぶワークショップです。

1回目は小学生くらいの子供たちに「淡路結び」という基本的な結び方を教えました。カラフルな水引から色を選ぶときは、みんな目がキラキラしています。

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さすがに馴染みのない文化というのもあり、日本よりも結べるまでに時間がかかりましたが、こちらで勉強している日本の大学生たちに手伝ってもらったお陰で、子供たちも楽しんでくれたようです。

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2回目は、もう少し年齢の高い中学生や高校生たちです。さすがに今度は自分で結べますね。結び方を覚えてしまえば、すぐに熱中して黙々と結んでいきます。

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天井から垂れ下がっていたツタを見て「これでもできるんじゃない?」と試しに結んでみたら、細さも近くて、意外にそれっぽく結べました。もしかしたら水引も元は自然の植物だったかもしれませんね。

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最後にみんなで記念撮影。

事前の人集めに苦労しましたが、Pokoさんと大学生のおかげで大成功です!
実は近くの学校などに「学生を参加させてほしい」と依頼していたのですが、安全面から、放課後の活動に対して慎重な場合が多く、その辺りは日本と同じだな~と感じました。

あと、水引結びは「女子のすることじゃん」みたいな反応が男子に多く、日本よりも男女がハッキリと区別されて教育されていると感じました。もちろん日本でも同様の区別がありますが、男言葉、女言葉が明確に分かれているようです。

文化の違う国では、思い通りいかない所から学ぶものも多いですね。

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2/4() 【カンボジア滞在18日目】

今日は朝からSSAPのアートディレクター、Lynoの講義です。

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Lyno自身も関わっている学生向けのコンペがあり、それに応募するための応募方法や、ポートフォリオ(作品資料)の作り方などを学生に教えていました。Lynoは普段から先生もしているので、教え方がうまいです。僕も改めて勉強になりました 笑。

カンボジアでのコンテンポラリーアート(現代美術)は、日本以上に少数派らしく、美大でも教わることができないようです。どんどん学生の増えている科は「建築科」。建設ラッシュ真っ只中の国ならではですね。

現代美術を学ぶためには自分でアートイベントへ足を運び、独学で勉強しなければならないそうです。

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午後は少し歩いて、プノンペンタワーというビルに登りました。このビルの屋上はカフェになっているので、市内を見渡せます。左奥に見えるのが王宮です。高層ビルはまばらですが、建設途中のものが目立ちます。

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ちょっと下を覗くとゴミの山が。

こちらでは今もまだ黒い袋を使っています。緑のボックスがゴミ箱ですが、フランスで見たものと一緒ですね。いかがでしょう? フランスにいるキーボーさん? ナントも同じですかね?

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旧正月に舞う獅子舞の面が並んでいました。中華系が多いせいか、街中でも赤をよく目にします。先ほどのタワーからの風景も、屋根は赤ばかりですね。

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ずっと行かなければと思っていた「ある場所」へ行きました。

さて、何の場所でしょう?

実はこの青空が広がる空間に、「ホワイトビルディング」という巨大な建物が立っていました。僕が今滞在している「Sa Sa Art Projects」も、昨年まではその中にあったんです。

ホワイトビルディングは古くからある建築だったせいもあり、スラムのような見られ方をしていました。日本人の書いたネット記事をみると、そのような書かれ方ばかりが目立ちます。

しかし、このホワイトビルディングはカンボジアのアーティストにとっては非常に重要な場所だっだんです。そんな建物が、いわゆる「都市開発」の名目で取り壊されてしまいました。

そしてこの土地を買い取ったのは、日本の企業です。

このホワイトビルディングの存在と経緯が持つ意味を伝えるために、プロジェクトを立ち上げている日本人がいます。それがこの滞在記で度々登場するPokoさんです。

彼女は日本で「ホワイトビルディングプロジェクト」の展覧会を行うために協力者を探しています。もしご関心のあり方がいらっしゃいましたら、是非ご連絡ください。僕もバックアップしていくつもりです。

(ホワイトビルディングプロジェクトについては、文末に記載しています。)

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取り壊された跡には巨大な更地が広がっており、SSAPのアーティストが住民の子供たちと一緒に描いた壁画だけが残っていました。帰ってDaraにこの写真を見せると、「僕は退去してから、まだあそこには行けていない。あまりにも悲しすぎて。So Sad.」と言葉を詰まらせていました。

ここまでホワイトビルディングの事を話したら画像を載せるべきなのですが、なぜか僕はそれを載せる気になれません。僕にとっては、「絶対に行けない場所」「絶対に見られない場所」そんな場所になっているからでしょう。

カンボジアへ来てから、いや、来る前からもホワイトビルディングの話をたくさん聞いて来ました。だからこそ、「今はもうない」ということを痛切に感じています。親しい人を亡くす喪失感と、親しんだ住まいを亡くす喪失感は、どちらも同じだけの悲しみがあると思っています。

実は、GoogleMapのストリートビューでは今もその姿を見ることができます。僕の写真と照らし合わせてバーチャル散歩をしてみてください。

「ホワイトビルディングミニチュアプロジェクト」

(趣旨)

カンボジアの首都プノンペンで、20179月に解体されたホワイトビルディングと呼ばれる歴史的建造物とその建物に住んでいた人々の記憶をミニチュアアートで再現する。プノンペン中心地にあった歴史的建造物の過去と現在の記憶を辿る中で、プノンペンの世代間をつなぎ、共に過去から学び、現在を深く理解し、急な発展を遂げるカンボジアの都市開発の未来について提言をしていく。

(経緯)

急速に経済発展するカンボジアのプノンペンにあった歴史的建造物が新しい高層ビルを立てるために解体された。その建物はプノンペンの中心に位置し、クメール・ルージュ時代も生き抜き、解体されるまでの54年間残った数少ない新クメール建築の1つであった。その場所は、多くのアーティストが迫害された内戦が終わった後、故シアヌーク前国王はホワイトビルディングにアーティストを呼び寄せアートを復興させた場所でもあった。それ以降、伝統芸能から現代アートまで様々なアーティストの活動拠点となってコミュニティが残っていた。世界では、ホワイトビルディングと同様に、なぜどんな思いでその建物が存在したかが引き継がれないまま消えていったものがある。人々の記憶を形に未来に繋ぐべく、事前調査でカンボジア入りした。多くのカンボジア人から実現を願う声を聞き、日本とカンボジアの共同プロジェクトチームを発足するに至った。

(目指していること)

昨年9月に解体されたホワイトビルディングを題材にし、建物と人々の暮らしの歴史を振り返る。建物の中で生きる人たちが創造して来た様々なものを再現することで、カンボジアの建築家あるいは建築家を目指す学生たちはその建築物と深く関わっていき、カンボジアの建築物、コミュニティ、歴史への理解を深めていく。日本人アーティストという外国人がその建築物から何を感じるか、そして日本人の表現したカンボジアの建築物を目にし、カンボジアの建築家が感性という深いレベルでその建築物をどう捉えるかの感性にまで届く作業を通して、カンボジア人が自国文化をもう一段踏み込んで理解する。また、日本人も海外の暮らし、文化、歴史を深く理解し、自国についても理解する。これからの都市開発に何が大切なのかをプロジェクトに関わった人々、また展示会で作品をみた人々が共に考えていく。この活動は、一国の未来をどう創るかを広い視野で考える機会を提供する。

2/5() 【カンボジア滞在19日目】

立て続けにイベントがあったので、今日は部屋で片付けや洗濯をします。夜はDaraに誘われて、スタッフの一人「Samnang」の家でホームパーティ。

彼の家には本人の作品だけでなく、知人作家の作品もたくさん飾られていました。

カンボジアではまだアートマーケットが確立していないため、アーティストたちはお互いに作品を購入しあっているのです。将来的にはコレクターなどが購入してくれるのがベストですが、今はまだ作家同士が支え合っていく事の方が重要です。

そろそろ帰ろうかという頃、「指名されたら絶対に歌わなきゃいけない」謎のゲームが始まり、結局、アカペラでビギンを一曲歌いました

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さすがに人の家なので撮影は遠慮してしまいましたが、神棚だけは収めました。奥にいるのは娘さん。

2/6() 【カンボジア滞在20日目】

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プノンペンでは常にいろんな音や声が鳴り響いているのですが、なんだかお経のような声が聞こえるなと思ったら、隣の家にお坊さんが立っていました。いわゆる「托鉢」です。

カンボジアの僧侶は全ての食事を「お布施」で賄っています。こうやって毎朝「托鉢」をして歩き、お金や食事(お布施)を受け取るのです。

「物乞い」との違いは、僧侶の側が「お布施をする機会(徳を積む機会)」を与えているのです。なんだか詭弁のように聞こえるかもしれませんが、「信仰」の厚い国では全く不思議なことではありません。

日本の「お檀家さんまわり」と違って、毎日違う場所を歩いているようです。道理で今まで出会わなかったはずです。しかし、このオレンジの傘、お寺で支給されるのでしょうか? 気になります。

さて、今日は材料の買い出しです。水引を大量に持って来たので、作品を作ろうと思います。

今回の滞在、発表の義務はないのですが、やはりアーティストは作品を通して想いを伝えるのが一番良い気がします。そして、「もしカンボジアで作品を作ろうと思ったら、どれくらい大変なのか」を知りたいのです。

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案の定、かなり大変なことがわかりました。

北海道なら「ホーマック」で簡単に買える木材が、全然売っていません。Daraに連れて行ってもらった店には角材がなく、板から切り出さなければいけないそうです。この通りは「木材通り」で、写真の店は全て同じような木材屋さんです。

木材が必要なら「木材通り」へ、画材が必要なら「画材通り」へ行かなければいけません。しかし僕はその場所も知らなければ、自力で動ける移動手段もありません。たぶんDaraがいなければ、角材一つ探すのに3日以上はかかっていたと思います。

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結局、先ほどの通りでは必要な細さの角材は見つからず、別の場所へ。ここには製材された板が大量にあり、ここでまず、板を買います。とりあえず清算だけして板は置いたまま、再び角材探しへ。

その後なんとか角材を見つけましたが、その店ではカットできません。2mの角材を持ったまま、バイクの後ろに乗り、板の店へ戻ってきます。Daraは遠慮なく突っ走るので、腕がもげる(ちぎれる)かと思いました。

最後は、かき集めた角材と板をトゥクトゥクに無理やり乗せて、僕らはバイクでSSAPまで誘導します。なんとか材料は揃いましたが、次は角材のカット。SSAPの手鋸で。

と思ったら歯がボロボロで、明日新しいものを買いに行くそうです。

ということで、今日は角材のヤスリがけ。しかし良い紙ヤスリがなく、先にカッターで板のカット。唯一、ある程度の道具がまとめて揃うのは「イオン」です。イオンのダイソーで足りないものを調達。

結局パネル一つ作るのに3日近くかかりました。

2/7() 【カンボジア滞在21日目】

ということで、今日もパネル作りをしています。

午後からSSAPでイベントが始まったので、ちょっと覗きます。なんだか、みんな必死に、雑音の混じったラジオ音へ耳を傾けています。

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古いカンボジアの国営ラジオを聞くワークショップでした。これを行なっていたMaggieさんは、アーティストというより研究者のようでしたが、題材をアートだけに絞らないSSAPの視野の広さを心強く感じました。

ちょうど日本からリサーチに来ていた北海道教育大学准教授の方と一緒に、イベント恒例の打ち上げへ。一人で悶々と考えていたカンボジアのアートについて、日本人とお話できて良い機会になりました。

もっとお話したかったのですが、まだパネル作りが。帰ってヤスリがけの続きです。

2/8() 【カンボジア滞在22日目】

パネル作りはもう少し工程が残っていますが、一旦手を止めて。

それよりも、今日はイベント盛りだくさんの日です。今日はカンボジアの「仏日」。そこで、朝5時半から通訳のTotoさんに来てもらい、パゴダへ。

以前のお寺巡りで行った「Wat Thann」へ行きます。

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まだ暗いうちに到着。僧侶たちがぞろぞろと外へ出て行きます。数名はバイクの後ろに乗って。きっと遠くまで托鉢に向かったのでしょう。

6時くらいに日が昇り始め、すでにたくさんの人が建物の中で何かをしています。それぞれの手には銀色のお弁当箱のようなもの。それを、中心に座っている一人の僧侶の前へ並べます。すると僧侶がお経を唱え始め、お弁当を持って来た人たちは、手を合わせて聞いています。

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お経が終わると、弁当箱を持って別の場所へ。そこにはたくさんのお皿が並べられており、ご飯の入っているエリア、果物の入っているエリア、惣菜の入っているエリア。どうやらお弁当箱の中身をお皿に移し替えているようです。日本のお寺では、法要の際、檀家さんが集まってきて食事を作ります。こちらではそれぞれ持ち合わせですが、雰囲気は似ていますね。

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ある程度、人が揃い始めたところで、いわゆるお説教が始まります。

ほとんどが、おじいちゃん、おばあちゃん達なのは日本と一緒ですね。ただ、一緒に行ったTotoさんも、ちゃんと手を合わせています。若い人にも信仰心があるところは日本との違いです。

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もう一つ気になる違いが「座り方」です。みんな正座を崩した時のような座り方をしています。実はこれが正しい座り方なんです。他のパゴダでも、お祈りする人は必ずこの座り方をしています。正座よりは負担が少なそうですが、正座に慣れている身としては、なかなかこの座り方に馴染めません

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お説教をする僧侶はこんな椅子に座っています。ここまでは、日本の法要に参列しているような気になるほど、共通点も多いですね~。

重要なのは「話の長さ」。30分も経たないうちに終わりました!

そしてここからが僕の一番見たかったコーナーです。先ほど取り分けられていた食事を、僧侶達が食べるのです。

鐘のような音を合図に僧侶達が集まってきました。そしてズラ~と並んで机に座ります。意外だったのが、後ろを向いて食べる点。確かに、人に見られながら食べるには嫌ですよね。

僕は、食事作法を人前で見せるパフォーマンスを行うので、自分の食事をじ~っと見られるのが、いかに緊張するかがわかります。

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では何故、わざわざ彼ら僧侶たちは人前で食べるのか?

それはきっとこういう理由だと思います。先日の托鉢の際にお話したように、僧侶へ持ってきた食事は「お布施」です。それが、しっかりと僧侶の口に入り、彼らがその食事を糧にして「仏道」に精進することが大事なのです。だから、あえて「お布施(食事)」を持ってきてくれた方々の前で、食することが重要なのだと思いました。

さて、今日はもう一つ重要な仕事があります。

今日は、Pokoさんが教鞭をとる「メコン大学」で生徒さんたちにインタビューをさせてもらうのです。Pokoさんは大学で経営を教えています。ただ経営を教えるだけでなく、どのようにして仕事に責任感を持てるようになるのか、どうやったらスムーズかつ健全に組織を動かすことができるのか、実際にワークをさせながら彼ら自身で考えられるように仕組みを整えています。

本来は働く大人の背中を見て、仕事への姿勢を学んでいくものですが、カンボジアではその大人の層が大量にいなくなっています。ですから、まずその姿勢から身につけさせる必要があるのだと思います。

ただでさえ外国の資本が多い国ですから、カンボジアのおおらかな環境だけでは仕事を掴んでいけません。多種多様な人たちとスマートにコミュニケーションをとり、自分の価値をアピールして自主的に仕事を作る必要があります。

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そんな大切な授業にお邪魔させていただき、まずは自己紹介。

アーティストとして、カンボジアの若者の「信仰」をリサーチしにきていることを伝え、先日つくった「信仰」に関するアンケートに協力してもらいます。

そして、10人ほどに立候補してもらい、インタビューを撮らせてもらうことになりました。

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協力してもらうことになった10人と共に、近くのベーカリーへ。それぞれ好きな食事を注文してもらい、順番にインタビューを撮影していきます。

ここでも通訳のTotoさんが大活躍。というよりも、彼がいなくてはインタビューが成り立ちません。僕は横で写真を撮っているだけですが、Totoさんのお陰でなんとか10人を撮り終えました。

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その後、Pokoさんの知っているパゴダが近くにあるというので、Totoさんと3人で行ってみました。立派な建物が1つありますが、残りの2つが壊れてしまったらしく、目下改装中。

ここのお寺で更にもう一人のインタビューを行うことができました。このお寺にいた若い僧侶です。

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快くインタビューを受けてくれた代わりに、「一緒に写真を撮りたい」とおっしゃります。「むしろいいんですか?」とばかりに、しっかり並んで撮影させてもらいました。そして最後にFacebook申請までしてくれて? いやいや、意外な展開となりました。

「え?お坊さんがFacebook?」 ですよね。

カンボジアの若者は相当な確率でFacebookをやっています。そしてカンボジアの僧侶は自分の意思で出家し、自分の意思でまた世俗化できるので、僧侶になる前に始めたのかもしれません。

そこは世代間の感覚的な違いが大きい気がします。カンボジアにはそもそも普通の有線電話が見当たらないので、たぶん彼が生まれた頃には、すでに携帯電話が唯一の通信手段だったはずです。

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最後に「CJCCCambodia-Japan Cooperation Center)」へ行きました。カンボジアと日本の相互理解と協力を推進し、カンボジアのための優秀な人材を育成する場所です。この隣には、「IFL王立プノンペン大学外国語学部」があり、Totoさんはここの日本語学科を卒業しています。

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このあたりには、カンボジアで最も有名な建築家「ヴァン・モリバン」氏の建築がたくさん立っています。この建物も非常にユニークな作りをしていますよね。滞在5日目に紹介した独立記念塔も彼の作品です。

今日は本当に盛りだくさんの日でしたが、帰ってパネル制作の続きをしなければいけません

2/9() 【カンボジア滞在23日目】

テクニカルアシスタントのSoklengとインターンのSovankongに手伝ってもらい、なんとかパネル1枚完成です。

やっと少し生活に慣れて来たのと、木屑だらけの服で外へ出るのが面倒なので、パスタを作って食べています。とは言いつつも、夕方からDaraの働く「TINI CAFE」へ。

滞在中にSSAPで展示をさせてもらえることになったので、明日のワークショップと共に、展示の打ち合わせをします。このカフェにはナイスな作品が飾ってあったり、アート系のイベントも行われます。そしてコーヒーがうまい。

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通り道にある「International School」。扉は厳重ですが、中からは子供たちのはしゃぐ声が聞こえます。プノンペンにはかなり多くの「International School」があります。だからみんな英語が話せるんですね。

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Daraとの打ち合わせの後、もう一つ打ち合わせです。昨日紹介した「CJCC」で毎年行われている、日本とカンボジアの交流イベント「Japan-Cambodia Kizuna Festival」に作品を置かせてもらうことになりそうです。

もともとPokoさんがブースを出店する予定になっていたのですが、内容は決まっておらず、日本との交流イベントなので「水引」はちょうどいいんじゃないかという話になったわけです。

そこで今日は、実際に出店ブースを運営する日本人大学生との打ち合わせです。僕の作品は、置くことは置くのですが、さすがに作品自体を販売できる場所ではありません。

結局、大学生が水引を使ったアクセサリーを自分たちで作り、売ることになりました。

つまり、先日のワークショップを手伝ってくれていた大学生はこの子たちだったんですねぇ。僕はワークショップを手伝ってもらい、彼らは商品となる水引作りのノウハウを学ぶ。Winwinです。夜遅くまでSSAPで商品の構想を練っていました。水引結びを習得しながら。

そして、明日のワークショップは前回と違って大人向けワークショップです。なので、水引の意味や、ワークショップの目的なども説明できるようにしておかなければいけません。今度もちゃんと人が集まるでしょうか

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第一弾第二弾第三弾も、ぜひ読んでみてくださいね。

次回更新もお楽しみに〜。

ジェレミー・ハッチソン歓迎会トーク&ディスカッション

平成29年度冬季プログラム二人目は、ロンドンのアーツ・カタリストとの連携により、ジェレミー・ハッチソンを招へいします(3月23日まで滞在)。

ハッチソンは、場所や状況に応じたシチュエーショナル・パフォーマンスを行うアーティストで、これまでセネガル、パレスチナ、インド、中国など、様々な国や地域でプロジェクトを行っています。
札幌での一ヶ月の滞在では、「仕事文化」について調査し、制作を行う予定です。

今週金曜日に、歓迎会を兼ねたアーティスト・トークを行います。そして、北海道大学大学院のスザンネ・クリーンさんもお招きし、ディスカッションも開催します。カジュアルな会となりますので、たくさんの方に交流いただけたら幸いです。是非お誘い合わせの上お越しください。

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Jeremy Hutchison, fabrications2013-16

 

3月2日(金)19:00〜
▼場所 なえぼのアートスタジオ 2F S-AIR事務所(中央区北2条東15丁目26-28)
http://www.naebono.com/access
https://goo.gl/maps/EYgZgS6sBQ42
※お車でお越しの際は、なえぼのアートスタジオ前の駐車場ではなく近隣の駐車場をご利用ください
▼参加費 無料 ※食べ物・飲み物の持ち寄り制(飲み物、少しの軽食は用意いたします。)

 

▼プロフィール

Jeremy Hutchison
ジェレミー・ハッチソン
http://www.jeremyhutchison.com/
シチュエーショナル(ある状況に応じた)パフォーマンスを行うアーティスト。製造と消費の場で、工場の従業員、移民労働者、オンライン・ワーカー、求職者などと協働し、人間という存在を限定させる構造について探る。グローバル資本によって生み出された人間の関係性は、どのような不公平をもたらすのか?消費者製品が、搾取的な物質本位の構造を象徴づけるものとしてどのように機能するだろうか?作品制作の行程の中で、それぞれの文脈がひとつの舞台となり、道理がつくられるメタファーとなる。ある意味、これらのプロジェクトは、不確かな自由のためのリハーサルのようなもの。
大学で言語学を学んだ後、UCLスレード・スクール・オブ・ファイン・アートにて修士課程修了。近年ニューヨークのホイットニー・インディペンデント・スタディー・プログラムに参加。

 

Susanne Klien
スザンネ・クリーン
http://susanne-klien.net
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院・現代日本学プログラム准教授
スザンネ・クリーン氏は北海道大学に2013年以降所属し、現代日本の社会と文化に関する研究を行い、特に地方における伝統の伝承、地方におけるオールタナティブライフスタイルと過疎について質的調査を行う。

・研究内容
「日本の田舎における都会の移住者たち: 創造的過疎と新たなライフスタイルへの探求」
国内で、新しい生活の仕方を求めて田舎へ移住した都会の若者たちに関するフィールド調査を実施。移住がより意義のある主体的な暮らし方を追い求めることであるとの従来の考え方に疑問を投げかけ、「モラトリアム移住」という概念を提唱する。これまでにはない新たな暮らし方を見つけるという理想を求めて移住した若者たちが、実際に移住してみると、制度的な制約や自ら課した重圧に直面するというグレーゾーンを、エスノグラフィー的視点で探る。個人の責任、能力、達成にますます重きを置く政治制度の中で、この「モラトリアム移住」が、極端なキャリア形成や社会的重圧に対しての若者たちの反応だとすれば?

 

We are delighted to welcome Jeremy Hutchison as a resident artist in partnership with Arts Catalyst, London. Join us this Friday for a talk and discussion by the artist and Susanne Klien, Associate Professor at Research Faculty of Media and Communication/International Student Center at Hokkaido University. There’ll be a party afterwards.

 

Talk and Discussion with Jeremy Hutchison and Susanne Klien

Friday 2 March 2018, at 19:00
NPO S-AIR, Naebono Art Studio 2F
[Map]
https://goo.gl/maps/QJXrAk7f8YJ2
[naebono art studio]
http://www.naebono.com

There’ll be some food but bring some food and drinks please!

 

Jeremy Hutchison
http://www.jeremyhutchison.com/
(b. 1979, London) works with situational performance. Operating in sites of production and consumption, he collaborates with factory employees, migrant labourers, online workers and job-seekers to examine the structures that limit human existence. How are unequal human relations constructed by global capital? How do consumer products function as portraits of exploitative material structures? In the process of developing these works, each context becomes a stage; a metaphor for the production of reason. To some extent, his projects are rehearsals for an uncertain kind of freedom.
Having studied linguistics he received a distinction from the Slade School of Fine Art. He was recently a member of the Whitney Independent Study Program in New York.

 

Susanne Klien
http://susanne-klien.net
Associate Professor at Research Faculty of Media and Communication/International Student Center at Hokkaido University, Japan
Klien has a broad range of research interests in the modern culture and society of Japan including immaterial culture, i.e. the practice and transmission of tradition, subjective well-being and alternative lifestyles in rural contemporary Japan and regional revitalization and tourism.
Klien will present her research on ‘Urban Migrants in the Japanese Countryside: Creative Depopulation and the Quest for Alternative Lifestyles’

 

S-AIR Exchange Programme 2017 冬期プログラム
主催 特定非営利活動法人S-AIR
助成 平成29年度 文化庁 アーティスト・イン・レジデンス活動支援を通じた国際文化交流促進事業
札幌市さぽーとほっと基金助成事業
協力 Arts Catalyst  さっぽろ天神山アートスタジオ  なえぼのアートスタジオ

Jeremy Hutchison

ジェレミー・ハッチソン

Jeremy Hutchison, fabrications, 2013-16

 

 

 

 

シチュエーショナル(ある状況に応じた)パフォーマンスを行うアーティスト。製造と消費の場で、工場の従業員、移民労働者、オンライン・ワーカー、求職者などと協働し、人間という存在を限定させる構造について探る。グローバル資本によって生み出された人間の関係性は、どのような不公平をもたらすのか?消費者製品が、搾取的な物質本位の構造を象徴づけるものとしてどのように機能するだろうか?作品制作の行程の中で、それぞれの文脈がひとつの舞台となり、道理がつくられるメタファーとなる。ある意味、これらのプロジェクトは、不確かな自由のためのリハーサルのようなもの。
大学で言語学を学んだ後、UCLスレード・スクール・オブ・ファイン・アートにて修士課程修了。近年ニューヨークのホイットニー・インディペンデント・スタディー・プログラムに参加。
http://www.jeremyhutchison.com/index.html

Jeremy Hutchison
(b. 1979, London) works with situational performance. Operating in sites of production and consumption, he collaborates with factory employees, migrant labourers, online workers and job-seekers to examine the structures that limit human existence. How are unequal human relations constructed by global capital? How do consumer products function as portraits of exploitative material structures? In the process of developing these works, each context becomes a stage; a metaphor for the production of reason. To some extent, his projects are rehearsals for an uncertain kind of freedom.
Having studied linguistics he received a distinction from the Slade School of Fine Art. He was recently a member of the Whitney Independent Study Program in New York.
http://www.jeremyhutchison.com/